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医師の卵戸惑い

2009年03月08日

来春卒業予定の医学生らを対象にした県の臨床研修病院合同説明会が7日、福井市内で開かれた。臨床研修を受け入れる予定の県内6病院と、県内外の医学生20人が参加。医師不足に悩む病院にとっては若手医師の確保に向けた貴重な機会で、それぞれの特徴などをアピールしたが、最近になって来春から研修の期間や内容の見直し方針が国から示されたこともあり、学生らは戸惑いも隠せない様子だった。

 最初に各病院が特色を説明した。「救急患者は1日30人以上で『野戦病院』。こんなにも忙しいのかと驚いた」と話した市立敦賀病院の研修医は、「処遇がいいのは全国的に知られている。医師不足の地域では、研修医も大事にされる」ともアピール。昨春初めて研修医を確保した公立小浜病院の担当者は、米大統領への応援にあやかって「研修医になったら、しバラク・オバマ」と場を和ませながら訴えた。

 ただ、学生の関心は、最近になって、国が来春から、研修の必修を絞り込むほか、都道府県ごとに採用上限枠を設けるなどの変更方針を示したことにあったようだ。

 福井大5年の女子学生(23)は「どうなるのか知りたかったが、わからなかった」と話し、1病院の説明を聞いただけで引きあげた。福井市出身で金沢大5年の大和雅敏さん(24)は「研修がどう変わるか、早く知りたかった」と戸惑いを見せながらも、「診療科が合同でカンファレンスをやっている病院に新しさを感じた。福井大付属病院や県立病院は研修医でも診療が実践できる体制が魅力的」と病院から直接話を聞けたことに満足した様子だった。

 制度変更は現時点で質問されても、病院側から具体的な内容は示しようがない。県立病院の高瀬恵一郎・救命救急センター長は「地方に広く上限を設けても、来てもらえるかどうかは別。診療能力を高める制度だったのに、医師不足のために変えるのはおかしい」と指摘。一方で、公立小浜病院の服部泰章・診療部長は「研修医が来ると、指導する医師にも活気が出て病院全体にいい影響が表れる。途切れないように毎年来てもらいたい」と話していた。

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