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社説

体外受精 安全確保の基準急いで(3月8日)

 厚生労働省が体外受精を行う医療機関に対し、複数の医師らによる作業の二重確認を徹底するよう求めることを決めた。

 香川県立中央病院での受精卵の取り違え問題を受けての措置だ。国内で体外受精が始まって二十五年が過ぎた。しかし、法的な安全基準は整備されていない。

 国や医療機関、関係団体は国民が不妊治療を安心して受けられるよう厳格な基準づくりを急いでほしい。

 今回の取り違えは、体内への移植に先立つ受精卵の検査中に起きた。培養器から受精卵の入ったシャーレを取り出した際、同じ作業台に別の患者の受精卵を入れたシャーレを残していたのが原因だ。

 シャーレのふたには誰のものかを示すシールが張られていたが、作業台に残っていたシャーレにはふたをしておらず、別人のものとは気づかなかった。

 ミスが許されぬ作業を、医師一人で行っていたことが、まず問題だ。厚労省が二重確認の徹底を求めるのも、これを重視したためだ。

 さらに、この医師は複数の受精卵の移植を原則として禁止した日本産科婦人科学会の指針に反し、三個の受精卵を女性に移植していた。そのうちの一個が、別の患者の受精卵である可能性が高い。

 あまりにもずさんというほかない。医師の責任は重い。

 だが、この問題を一人の医師による不始末と単純に片付けるわけにはいかない。

 卵子や精子を体内から取り出し、受精卵を体内に戻すという作業のなかで、人為的なミスが起こる可能性は、どの医療機関にもある。

 実際、妊娠には至らなかったものの、一九九五年には石川県で名前の似た女性に受精卵を取り違えて移植するミスがあった。医療機関は「他山の石」とすべきだろう。

 今や六十人に一人以上の割合で体外受精による赤ちゃんが生まれている。体外受精は不妊に悩む夫婦への普通の医療として定着した。

 日本産科婦人科学会はこれまでのトラブル例などを検証し、治療手順などの統一マニュアルの作成を急いでもらいたい。

 厚労省は少子化対策の一環として不妊治療費の助成を患者に行っている。学会と協力して、再発防止策の構築に主体的に取り組む責任があるはずだ。

 体外受精を扱う医療機関は生命に対する尊厳をかみしめ、緊張感を持って治療に当たってほしい。

 待ちこがれた妊娠の喜びが一転、中絶を余儀なくされる悲しみに変わる−。こんな悲劇は二度とあってはならない。

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