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【主張】金賢姫 拉致解決へ日韓連携願う

2009.3.8 03:24
このニュースのトピックス主張

 北朝鮮による日本人拉致問題について、大韓航空機爆破事件の金賢姫・元工作員は最近、本紙に寄せた手紙で「ついに田口八重子氏がその家族と会えるようになりました、という一面記事がマスコミに報道されることを祈っています」と書いている。

 拉致被害者の1人、田口八重子さんの家族との面会を前にした切なる願いである。この文章は彼女が、北朝鮮での工作員教育の際、日本語など「日本人化教育」を受けた「李恩恵(リ・ウネ)先生」こと田口八重子さんの生存を信じていることを意味する。

 北朝鮮は横田めぐみさんや田口さんをはじめ、多くの拉致日本人についてすでに死亡したと発表しているが、日本の家族はそれを信じていない。そうした「疑惑」と真相解明の必要性をあらためて痛切に感じさせられる。

 今回の面会は金賢姫・元工作員と、田口さんの家族である息子の飯塚耕一郎さん、兄の飯塚繁雄さんの希望を受け、日韓両国政府の協力で進められている。彼女は「(面会が)個人的な喜びに終わるのではなく、(拉致問題解決で)韓日両国がお互い理解し協力する空間に拡大することを信じています」という。

 韓国にも多くの拉致被害者がいる。北朝鮮の無法ぶりには、日本はもちろん韓国も多くの損害を受けってきた。いや、1950年代の朝鮮戦争をはじめ韓国の被害の方がはるかに大きい。

 今回の面会を機に、1987年の大韓航空機爆破テロの犯人だった金賢姫・元工作員の存在が再び国際的な関心を集めつつある。彼女を通じ国際社会は、あらためて北朝鮮の暴力的革命主義や国家テロ体質を思いだすことになる。そして「金賢姫工作員」を生んだ北朝鮮の閉鎖的な超独裁体制が今も変わっていないことを。

 彼女は韓国の法廷で死刑判決を受けたが、テロ国家・北朝鮮の真実を語る貴重な「生き証人」として赦免され、現在にいたる。彼女は過去の罪への償いとして、北朝鮮の“変化”を目指し告発を続けている。その声は切実だ。

 拉致問題解決をはじめ北朝鮮の変化に向けては、圧力にしろ対話にしろ国際社会の協力が不可欠だ。北朝鮮の核問題解決に向けた「6カ国協議」の当事国で、非核兵器国は日本と韓国だけである。対北朝鮮で日韓はもっともっと協力できるのではないか。

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