河村建夫官房長官は8日朝のフジテレビの報道番組で、西松建設の違法献金事件で、「自民党議員には波及しない」と発言した政府高官は、元警察庁長官で事務方トップの漆間巌官房副長官だと明らかにした。民主党は国会で発言者の特定を目指す姿勢を示しており、政府側から公表することで早期の幕引きを図った。
河村氏によると、漆間氏は「記者との懇談の場で聞かれた。特定の議員への影響や捜査の帰すうに関するような説明をした覚えはない」と、一般論だったと説明したという。ただ、河村氏は、漆間氏が警察官僚出身なことから、「極めて不適切で、誤解を招く発言だった」として厳重注意にした。
漆間氏は5日、首相官邸で定例の懇談で「この件で自民党の方までやることはないと思う」と、自民党議員に捜査は拡大しないとの認識を示した。懇談は、発言内容にニュース性があると判断すれば、名前を伏せて報道できるルールになっていた。毎日新聞も加盟する内閣記者会は7日夜、漆間氏に名前を公表するよう求めたが、「オフレコ扱いのものを、さかのぼってオン(公表)にすることはありえない」と拒否された。
【坂口裕彦】
毎日新聞 2009年3月8日 10時05分