都立小松川高:教員ミスで推薦願書出し忘れ 受験できず

2009年3月7日 15時00分 更新:3月7日 19時24分

 東京都江戸川区の都立小松川高校(江見悦子校長、844人)の教員が、都内の有名私立大学の推薦入試を受ける予定だった3年生の女子生徒の願書を出し忘れ、生徒は推薦入試を受験できなかった。この私大が第1志望だったため、同校は個別指導をして一般入試を受験させたが、不合格になった。

 同校によると、女子生徒は昨年10月24日、この私大の「指定校推薦」制度で受験するために願書を担当教員に提出した。締め切り日の2日前の11月4日、担当教員は他の2人の生徒から同じ大学の願書を受け取ったが、女子生徒の分だけ忘れて2人分を大学へ送った。

 11月末の試験日3日前になっても受験票が届かないため、女子生徒が学校側に確認して送付ミスが分かった。校長や担当教員、生徒の保護者らが大学側に事情を説明したが、受験は認められなかった。結果を聞いた女子生徒は涙を流したという。

 同校は大学入試センター試験の際には、校内のマニュアルに沿って複数の教員で願書の出し忘れがないかチェックしていた。だが、指定校推薦の願書についてはマニュアルがなく、担当教員が1人で作業をした。

 推薦入試は面接だけで、女子生徒は一般入試向けの特別な対策はしていなかった。このため同校は12月から、個別指導し、この私大の1~2月の一般入試を受験させたが合格できなかった。別の大学は合格しているという。

 指定校推薦は、過去に優秀な生徒を送り出してきた高校などを対象に、大学が推薦入試枠を与える制度。高校側が普段の成績や出席日数などを考慮し、校内選考を経て推薦するため合格率は高い。同校では今年度、指定校推薦制度で14大学を計18人が受験し、全員合格した。

 江見校長は「落ち度は完全に学校側にある。大変申し訳ない。マニュアルを作って今後は二度とこのようなことがないようにしたい」と話している。【三木陽介】

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