以前このブログで取り上げた問題に、新しい動きがあったので報告します。私は2月21日のエントリ「上杉氏の記事がまたアレだという指摘について」(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/924472/)で、ジャーナリストの上杉隆氏が週刊文春2月26日号に書いた記事「安倍、福田…ひ弱な二世をつくる『後援会』」に関して、某氏から「全然ウソだ」という電話をもらい、記事を読んだ感想を記しました。
記事は、上杉氏が昨年1月に
今回の文春記事をめぐっては、安倍氏サイドも相当腹に据えかねているようで、5日には、与党担当の平河記者クラブに安倍事務所による張り出しがありました。それは、上杉氏に対する「公開質問状」という形の反論で、上杉氏の記述のいくつかの点について、具体的にパーティー現場の写真3枚を示して反駁しています。これは、9日正午までの文書による回答も求めていました。
ただ、政治家がジャーナリストの記事に対して反論しても、それが自社の記事でもない限り紙面には掲載しにくいし、民主党の小沢一郎代表の疑惑や外交日程もいろいろあり、とりあえず放っておきました。ところが今朝、安倍氏のホームページをチェックしたところ、《上杉氏の嘘 動かぬ証拠》という新たな一文がアップされており、興味深かったので少し紹介します。
それによると、文春2月26日号の記事に安倍事務所が抗議したところ、まず3月2日に上杉氏ではなく文春編集部から回答があり、それには「なお、当回答は、未公表の著作物ですのでそのままHPで引用、公開されることはお控えください」と記されていたそうです。それについて安倍事務所は「週刊誌という媒体を使い大々的に安倍議員を誹謗中傷しておきながら抗議されると『それは密室でやりましょう』というのは虫が良すぎるのではないでしょうか。よほど後ろめたいのか、恥ずかしいのでしょう」と強く皮肉っています。
実は、産経が昨年、週刊朝日の上杉氏の記事について抗議し、訂正文掲載の申し入れをした際に、その文面をこのブログで掲載したところ、週刊朝日側から「内部のやりとりを無許可で掲載するのはルール違反だ」と逆に抗議されたことがあります。でも、そんな訳の分からないルールなんて存在するのかと私は疑っています。結局、都合が悪いから隠したくて言っているだけだろうと(※参照 2008年10月30日のエントリ「週刊朝日・上杉隆氏の記事に反論します」http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/775624/)。
さて、安倍氏の反論に話を戻すと、具体的な反論内容の詳細はホームページに載っているのでそっちを見ていただくとして、面白いと感じたのは、次の部分です。
「(上杉氏が自分の目で見て書いたという)洋子氏(安倍氏の母)がマイクを握って話した事実は全くありません。その場に居合わせた東京からの同行記者(朝日新聞社、毎日新聞社、読売新聞社、東京新聞社、共同通信社、時事通信社、北海道新聞社、NHK、日本テレビ、東京放送、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京)全員が『そんな事実は無い』と証言しています。TV局記者の中には当日撮ったVTRを見て確認をして答える記者もいました。当時2000人以上の人達がその場に居ました。その場にいた人達すべてが目撃者であり、証人です。もし当方の主張が違うのであれば、誰か一人でも反証する人を見つければ良いのです。しかし、それは出来ないでしょう。なぜなら上杉氏のあげた事実はでっちあげだからです」
「そんなことだから回答書が公開されては『困る』というよりも『恥ずかしい』のでしょう。上杉氏の記事を捏造し、読者に事実と思い込ませる手法は詐欺師の手口にも等しいとの非難を浴びても仕方ないでしょう。上杉氏の安倍議員に対する記事、テレビでのコメントは事実と異なる事が多く、その大多数が誹謗中傷に満ちたものでした。今まではいちいち指摘してもキリがないと我慢してきましたが、上杉氏の安倍議員に対する記事、コメントはストーカー的にエスカレートしており、また今回の記事で、その記事を事実と信じた人達から議員自身や事務所等への嫌がらせも発生しています。その中には80歳を越えて昨年癌手術を終えた洋子氏への批判も含まれており、看過できないと判断しました」
…もはや堪忍袋の緒が切れた、といったところでしょうか。証拠写真の件も含め、もうこれ以上いい加減なことを書くことは許さないという姿勢を感じます。安倍氏は、朝日新聞による慰安婦番組改編報道の際を見ても、いったん反論を始めると「手打ち」はせずに徹底的にやるタイプです。これに対し、これまでジャーナリズムが抱える諸問題を手厳しく指摘してきた上杉氏がどう回答してくるのか、よく見守ろうと思います。ジャーナリズム批判の「第一人者」が、そもそもジャーナリスト失格だったというのでは、洒落になりません(※追伸 このエントリをアップした後に一応、上杉氏のブログにこの件に関して言及がないかを確認しにいったら、昨日付でブログが説明抜きで「無期限休刊」となっていました。狐につままれたような気分です)。
by ruokouzuki
上杉氏の「アレ」な記事に関す…