続きです。
後にAから聞いたリアルな話ですが、搬送される救急車の中で住所氏名生年月日等を聞かれ答えると、また少しして同じ事を聞かれるのだそうです。 3〜4回それが繰り返されて、Aが「あの、ちゃんと聞いてます? 記録取ってます?」と聞き返すと救急車内が「…大丈夫そうだね…」と、少し和やかな雰囲気になったそうです。
何でも大量出血の度合いでは搬送中そのまま意識混濁に陥り心肺停止してしまう方もおられるそうで、患者の気を確かに保たせるために繰り返しそうして“聞き取り”を行なう決まりだそうです。 Aにしてみれば「マジで息が苦しいんで何度も言わせないでー…」って感じだったそうです。
後でどうしてそんな相手に素手で応戦なんかしたのか聞いてみると、「やっぱり人間を傷つけるのはマズいでしょ!」などと呑気なことを言ってました。
そんな緊急時にも“人としての常識”が正常に作動するものなのかと感心もしましたが。 「走馬灯は無かったけど、傷の痛みとかも全く無くて、応戦中は周りがスローモーションで見えて、何度か綺麗に顔にパンチ入ったよ!」なんてことも言ってました。
“防御そう”と言って、刃物から身を庇う際に出来る手の傷もハンパ無かったです。 「漫画家は事故に遭っても無意識に利き手を庇うっていうけど、あれは嘘なのか、自分がダメダメなのか…」とボヤいてました。
休筆の直接の原因とも言える傷でした。 漫画のペン入れという作業は思いのほかデリケートな技術を要するものです。
少し違和感があったという利き手も、慣れもあるのか時間をかけて通常の感覚に戻っているそうで、今の生活には全く支障もないそうです。
私は事件後の数日、Aの報道を一度も見なかった事を不幸中の幸いだと思っていました。
今でもTVで陰惨な事件の報道には理不尽な想いが沸いてきます。 どうして完全に被害者である方が全国に顔写真や画像付きで個人情報を含む報道をされご家族含めて好奇の目に晒されて、加害者でありながら一部の者は完全に守られ擁護されるのか。
色々と人権問題等も絡み軽々しく口に出来ることでもありませんが、いつも被害者が泣き寝入りの現状は本当に辛くやるせないです。
被害者家族になって初めて分かる、どうしようもない痛みです。
私自身、お仕事を頂くようになってから“〆切り遅れ”以外に、編集様を含めこの業界の方々にご迷惑をお掛けした記憶はあまりないのですが、私が過去にどんなおかしな事を言った(?)とか仕出かした(??)等の捏造は、この際どうでも構いません。
Aやでんこが昔こんなだった等の笑える話も、第三者からも“事実”を聞いて知っている私にとっては今では本当の“笑い話”だと思います。
(でんことその方との“痴話げんか〈とも言える?〉”の顛末は、でんこが自ブログで出来るだけ穏便に説明すると言ってます。)
どうか、現実にAが一命を落としかけた凄惨な事件までを茶化して、知ったかぶりをして面白がることだけは止めていただけないでしょうか。
匿名の場で、大切な者を失いかけて傷付いた人の心にさらに切り付けるような残酷な行為を止めてください。
何卒よろしくお願いします。
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