【北京=野口東秀】中国の楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)外相は7日、全国人民代表大会(全人代=国会)にあわせて北京の人民大会堂で記者会見し、中国が開発を続けている東シナ海のガス田「樫」(中国名・天外天)について、「天外天は中国の管轄下の海域にある」とし、共同開発の対象ではないと述べて、単独開発の正当性を改めて強調した。
東シナ海のガス田問題については、日中間で共同開発で合意しているが、具体的な協議が開催されておらず、日本側は「樫」の開発に不満の姿勢を表明している。
昨年1月に発覚した中国製ギョーザ中毒事件について、揚外相は「刑事事件として解決に向け努力している。捜査中だ」と述べたうえで、「日本でも時間をかけても解決していない食品事件があるのではないか」と指摘し、解決までには時間がかかると示唆した。
外相は同事件にからみ、「中国政府は食品の安全を非常に重視している」と強調、日中間で「食品安全のための長期的な協力システム」を構築することをあらためて呼びかけた。
一方、長距離弾道ミサイルとして懸念される北朝鮮の「人工衛星」発射準備について、外相は「事態を注視している」と述べるとともに、「朝鮮半島の平和と安定の維持」に各国が努力するよう期待するとして、北朝鮮に自制を求めた。
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