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愛宕山移転を一次承認 岩国医療センター '09/3/6

 ▽用地取得を県市と協議

 岩国市黒磯町の国立病院機構岩国医療センターは五日までに、同市の愛宕山地域開発事業跡地へ移転する計画について、同機構本部(東京)から第一段階の承認を受けた。移転先用地として約七ヘクタールを確保する方針で、山口県や市と取得方法などを協議している。今後は詳細を詰めた最終承認が必要だが、二〇一二年度の開院に向けた移転事業は事実上、具体化へ動きだす。

 岩国医療センターによると、基本構想と費用の償還計画を含む一次承認は二月二十日付。跡地の四分の一に当たる東側の「まちづくりエリア」(約十五ヘクタール)のうち北東寄りの約七ヘクタールに移転するとしている。

 病院は十階建て、延べ約四万平方メートルと現病院の約一・五倍を想定。病床数は現在の五百八十床から若干減るが、病室を広げ個室の割合を増やし、ドクターヘリ施設も併設する。開院時期は、これまで通り一二年度の早い時期を目指す。

 愛宕山事業跡地への病院移転は〇七年十一月、県、市、岩国医療センターで合意した。移転先用地について、センター側は現在地(約八・八ヘクタール)との等価交換を軸に七ヘクタールの確保を求めるが、現在地は売却の見通しが立たない状況で、市などと調整をしている。

 センター側は、〇九年度の早い時期に基本設計に入りたい考えで、機構本部の最終承認を受けるための作業を進める。大〓均事務部長は「手続きがやや遅れているが、一刻も早く次の段階に進み、安心できる医療体制をつくりたい」と話している。(広田恭祥)

 ●クリック 国立病院機構岩国医療センター 1942年に開院した岩国海軍病院が前身で、45年に国立岩国病院に。2004年4月に現体制となった。25診療科、580床。3次救急指定を受けた県東部唯一の中核的病院で、医療圏は広島県西部、島根県の一部も含む。一日の平均患者数は入院約500人、外来約800人。

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