【滋賀】インフルエンザ菌b型ワクチン不足 長浜市、乳幼児接種の補助決定も…2009年3月7日
長浜市が4月から県内で初めて接種補助を決めたインフルエンザ菌b型(Hib)ワクチン。だが輸入量が圧倒的に少なく、全国的な不足状態にある。市内の医療機関も「せっかく補助ができてもいつワクチンが届くか分からない」と困惑顔だ。 月齢別に1−4回の接種が必要で、生後2カ月−2歳未満に接種を始めた乳幼児に、1回2000円を補助する。医療機関で異なるが、費用は1回7000−8000円が多いという。 現在、市内で接種しているのは市立長浜病院、長浜赤十字病院、おくのこどもクリニック。だが、ワクチン不足はすでに顕著だ。 市立、赤十字の両病院は「いまは1、2カ月待ち」と口をそろえる。赤十字は予約が増え過ぎ、最近、電話受け付けをやめた。現在は来院予約だけだが「補助が始まり、予約が激増したら対応できるか…」と不安を募らせる。 「おくの」では2月末現在、約120人が待つ。奥野昌彦院長は「予約は受けているが、ワクチンがいつ来るか見当がつかない」と話す。 販売する第一三共によると、輸入量は年100万本。全国の医療機関には、病床20床以上で月10人分(30−10本)、20床未満で月3人分(9−3本)と最低限の割り当てはあるが、希望数に比べ圧倒的に少ない。仏メーカーと増産を協議中だが見通しは立っていない。 長浜赤十字病院小児科に勤務していた10年間に、数例の診察経験がある奥野院長は「当時、日本で認可されていたら感染による障害が残るような悲劇がなかったかもしれない。1歳未満には待ってでも勧めたいワクチン」と話している。 (勝間田秀樹) 【インフルエンザ菌b型(Hib)】脳や脊髄(せきずい)を包む髄膜の感染症、髄膜炎などを起こす。患者は全国で毎年500−600人。発症年齢は0−1歳が66.1%と多い。第一三共(東京)が昨年12月、仏サノフィパスツール社製ワクチンを発売。生後2カ月以上7カ月未満に接種を開始した乳幼児は延べ4回、7カ月以上1歳未満は同3回、1歳以上は1回が基本。
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