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【静岡】

聖隷三方原病院内助産所で初の出産 助産師4人手応え、やりがい実感

2009年3月7日

 浜松市北区の聖隷三方原病院内に今月1日、県内初の院内助産所として開設した「たんぽぽ」で初めて生まれた乳児が6日、母親とともに元気に退院した。順調な滑り出しに、4人の専任助産師らは手応えとやりがいを口にしていた。

 院内助産所で初の出産となったのは、同市西区協和町の吉岡紀美代さん。2日午後8時14分、次男の琉星(りゅうせい)ちゃん(3、108グラム)を授かった。立ち会った夫の隆さん、長男琉翔(りゅうと)くん(4つ)とともに、病院関係者に見送られて退院した。

 約4時間の陣痛に耐えた紀美代さんは「助産師さんと話しながらいろんな体勢を試したので痛みも気にならなかった」と笑顔。隆さんは「妊婦と助産師が一体になった出産で愛情を感じた」と感動した様子だった。

 4人の専任助産師が立ち会い、紀美代さんの担当医師はカーテンの外で待機。助産師の能力が十分に発揮された形で、助産所担当課長の高林香代子さんは「助産師を志す若者が専門性を養う受け皿にもなる」と運営の本格化に期待を込めていた。

 たんぽぽは、病棟2階の約135平方メートルで、約13平方メートルの個室「お産の部屋」が3部屋ある。木目調の落ち着いた雰囲気で、ベッドではなく布団敷き。いきみを支援する手すり、クッションなども備えている。

 6日にも男児が誕生。4月は14人、5月は13人の出産が予定されている。 (皆川剛)

  院内助産所  助産師が中心となり、妊婦の出産を担当する院内施設。原則として、健康で妊娠経過が良好と医師が判断した妊婦を対象とする。入院は通常の病床で、陣痛が始まると助産所へ移動する。専任の助産師のほかに担当医師が待機しているため、妊婦にとっては「安全なお産」と「自然なお産」を両立できるメリットがある。

 浜松市保健所によると現在、市内で分娩に対応できる助産院は3施設のみ。新人が助産師の資格を得ても勤務先が限られるため、院内助産所は若手助産師の実践の場としての機能も期待される。

 

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