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抗鬱薬服用で攻撃的反応 厚労省が副作用調査へ (2/2ページ)
42件のうち、もっとも広く流通している「パキシル」に関する報告は28件あり、製造販売元のグラクソ・スミスクラインによると、処方した医師は5件で薬剤との因果関係を「確実」とし、18件で「疑われる・否定できない・関連あり」と判断した。
そのため、厚労省では専門家から意見を求めるとともに、他の抗鬱薬でも同様の報告が寄せられていないか、薬の安全情報をとりまとめる医薬品医療機器総合機構を通じて把握を急いでいる。因果関係が強く疑われれば、添付文書の注意書きや副作用に「攻撃的反応」などと明記する。
ただ、鬱病以外の患者への誤投与や、別の薬との飲み合わせにより他害行動が誘引されたケースも考えられ、精査が必要となる。
厚労省医薬食品局安全対策課は「他害行為が薬の影響によるものか、慎重に調べている。ただ副作用を過剰に恐れて急に薬の服用をやめると、使用者の命にかかわる副作用が発生する場合もある。個人で判断せず、担当医と相談してほしい」としている。
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抗鬱薬
国内では30種類以上が承認されている。鬱病患者数の統計はないが、躁(そう)と鬱の状態を繰り返す躁鬱病を含む気分障害患者は約92万人前後といわれる。鬱病患者のほとんどが薬の処方を受けている。鬱病を自覚していない潜在患者も多いとみられる。躁鬱病の患者が、医療現場で「鬱病のみ」と診断され、投与された抗鬱薬を躁状態の時に服用し、異常な興奮状態に陥るケースも報告されている。
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