2009年03月07日

Der Zibet、ISSAYによる『PRIMITIVE』全曲インタビュー【2/3】5

DERZIBETアー写090306







昨日のISSAY氏のインタビュー、いかがでしたか?
もう、お手元には『PRIMITIVE』があることと思います。
どうぞ、音を聴きながら”『PRIMITIVE』全曲解説〜vol.2〜”をお楽しみくださいませ。

      *      *

M5「BLUE SUNDAY MORNING」
ーーこの鬱々とした雰囲気が、”BLUE”な気分を醸し出してますよね。
ISSAY:ですね。これも1日5曲出来ちゃった日に出来た曲なんだけど。”こんなリフの曲やりたいんだよね”ってHALがベースを弾き出したのに対して、Hikaruが”じゃ、こうしちゃおうか?”ってスゴくテンションの張ったコードを重ねて。そこに僕が鼻もげら語でメロディーを付けて…。こういう歪んだサウンドのロックは、後期Der Zibetが最も得意としたもので。
ーー失恋ソングかな?と思ったんですけど。
ISSAY:失恋って捉えてもいいし、例えば仕事の関係でスゴく遠くにいっちゃった友達や、亡くしてしまった友人として捉えてもらってもいいんだけど。今、目の前にいない人のことを思い出した歌詞ですね。

M6「SHININ' HOLIDAY」
ーー続く「SHININ' HOLIDAY」は対照的。キラキラしていて、穏やかで、ほんわかほっこりみたいな。
ISSAY:そう。今回のアルバムは音圧がスゴいことになるだろうなって予測できていたから、音圧の少ない曲を1個作ろうってことになって。Hikaruがアコースティック・ナンバーを作るってところで持ってきた曲。僕としては、もっと、ただのほんわかした曲にしてもいいかなって思ったんだけどね。
ーーもしかして、主人公はちょっと病んでます?
ISSAY:どこか病んでるね。なんで、ただのほんわかした感じになるか?っていうところを考えていくと、この歌詞に登場する主人公はどこか病んでるからだな、と思えたから。そんな彼だけど、なんだか今日はスゴく素敵な日だなっていう、そこに持っていってまとめたのね。
ーー曲の雰囲気からして、ちょっとシャンソンぽくも感じられるっていうか。
ISSAY:僕も初めてこの曲を聴いた時、”これシャンソンだな”と思った。だから、そういうニュアンスを強めに出した歌詞を書いてみたんだけど。このタイプの曲は、昔からDer Zibetってどっかでやってきてはいて、それが今回、このスタイルで来たんだなって。ただ今回は今まで以上にヨーロッパ大陸の方へ寄った感じはスゴくするかな。でも本家の方がやってるシャンソンじゃなくて、ロック・バンドがやってるシャンソンだなって…やっぱり僕らはロック・バンドなんだよね、なんだかんだ言っても。

M7「RETURNERS」
ーー正に”戻ってきたぞ!”という感じ。
ISSAY:帰ってまいりました(笑)。事故で怪我をしたHALも帰ってきたし、俺たちも帰ってきたぞ!と。今回、どっかで出したかったのね、帰還してきたっていうのを、俺たちはRETURNしたぞ!っていうのを。そしたら、インストのタイトルになってしまいました(笑)。この曲はレコーディング・スタジオでセッションして出来たんですよ。それをエンジニアの上田さんにリミックス感覚で仕上げてもらって。ダブっぽい感じで、本作の世界観を出す面白い曲になったんじゃないかな。

M8「LOVE YOURSELF」
ーー印象的なのはドラムですね。
ISSAY:とにかくMayumiのドラミングを前面に出した曲をやってみようかっていうところで作った曲なので。もうアイツの得意なタムの音だらけ(笑)。これでもか!っていうくらいタムを叩く、たくさん叩くっていうコンセプトで叩いたっていう(笑)。
ーーその力強いサウンドに乗った”Love Yourself”という言葉がグサッと突き刺さります。
ISSAY:デモを録ってる時に、なぜかそのキメ言葉が出てきて。”Love Yourself(=自分自身を愛せ)”という言葉が。なんか今の時代にスゴくいいかな、と思って。だけど、普通にそれをやっちゃったらつまらないから、セクシャルなイメージも入れちゃおう、と。
ーー”ビロード”とか”シルク”とか、言葉の醸し出す質感、いいです。
ISSAY:この歌詞はレコーディング初期の頃から書き始めていたから、どこかしら昔のイメージは引きずってると思う。昔から、こういう世界観はあるし得意な書き方ではあるんだけど、今、どう進化してるのか? 自分を試してみたかったのね、今回。で、直しに直して今の自分の形になったな、と。
ーーセクシャルとはいえ、どっかしら品があるのもISSAYさんならではじゃないですか?
ISSAY:あぁ…僕、あんまり生々しいの、得意じゃないから(笑)。

M9「SHADOWS' PARTY」
ーー80年代に流行ったマンチェ・サウンドの匂いもしつつ、21世紀の音であるという、そこがなんとも面白いっていう。
ISSAY:今、マンチェスター・ムーブメントの、あの人達が音楽をやったらどうなるか?っていう実験をやったの。それが、まずコンセプトにあったんだけど、結果、R&B色が強くなって時代的にはもっと古い音になったっていう(笑)。
ーー(笑)。でも描かれてる歌詞の世界観は80年代のマンチェスター文化が反映されてるというか。
ISSAY:うん、完全なバッド・トリップ。これもね、僕が見たとおり描いてるんだけど(笑)。
ーーえっ!? アノ時代、マンチェスターで…?
ISSAY:じゃなくて、例えば、繁華街を歩いてる時に見たことを、そのまま書いてるんですよ、この歌詞は。さっきの高層ビル街が廃墟に見えるって話じゃないけど、僕の目には繁華街の風景が、そう映るんです。なにか…そういう時ってあるじゃないですか? 人が多過ぎちゃって、ちょっと気持ち悪くなっちゃったとか、人混みの中、自分はココにいるのに、いないような感覚があるとか。
ーーあぁ。
ISSAY:その不在感を舞台設定を作って歌ったらスゴく解りやすく伝わるんじゃないかな?って思って。それがサウンドと相まってドラッグ・パーティーっぽく聞こえるだろうなっていうのは予想していたし。バッド・トリップの名を借りた、時代に対しての自分の不在感や喪失感、誰か大切な人がいない感じを描けたらいいな、と思ったんですよ。今回、僕が一番意識したのは”今は21世紀である”ってことなのね。後ろ向きになっちゃってウジウジしてる時代じゃないと思う。それが伝わったら嬉しいかな。

<Interview:Kimico Masubuchi>

      *       *

♪本インタビューの第3回目は、明日、3:33〜、本ブログにてアップいたします。

【http://derzibet.com/】





kimico_m at 03:33 │この記事をクリップ!インタビュー 
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