【3月7日03時37分更新】
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◎ヤマチクが事業停止 石川県内の音楽文化に影響必至

 CD、オーディオ、DVDなど販売のヤマチク(金沢市横川四丁目、八日市屋典之社長 )と音楽ソフト卸の山蓄音配(同)が六日に事業停止したことで、石川県内の音楽関係者 の間に動揺が広がった。東京商工リサーチ、帝国データバンクの両金沢支店によると、負 債額は二社合計で約十一億円が見込まれる。両社は弁護士に事後処理を一任した。

 関係者によると、両社は任意整理で負債を処理する方針で今後、金融機関など債権者と 調整に入る。二社の従業員約三十五人は五日付で全員解雇され、金沢市横川四丁目にある G−1店や、めいてつ・エムザ、香林坊109に入る各テナントも営業を休止した。

 今後について代理人弁護士は「まだ何も決まっていない」としている。債務整理を進め る一方、事業売却やスポンサー支援を受けての営業再開も考えられるが、関係者の間では 「環境は厳しく、受け皿は見つからないだろう」との見方が強い。

 CDなどの音楽販売は大手資本の出店やレンタルショップ店の台頭で苦戦。近年はイン ターネットによる通信販売や携帯電話での音楽ダウンロードが普及し、店頭販売の営業環 境は一段と悪化しているという。

 ヤマチクは一九一四(大正三)年創業の「山田屋蓄音器専門店」を母体とする県内音楽 販売店の草分け。東京商工リサーチ、帝国データバンクによると、一九九六年三月期の単 体売上高は約十四億四千万円。二〇〇八年三月期には売上高が約八億五千六百万円に減少 し、四千四百万円の最終赤字を計上した。多額の有利子負債もあり、債務超過に陥ってい たという。収益悪化に伴い、片町や小松、富山、福井で店舗の閉鎖を進めたが、改善のめ どが立たず、営業継続を断念したとみられる。


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