高須基仁のメディア国士無双 飯島、いい人生だったんじゃないか

　1日に東京プリンスホテルで行われた飯島愛のお別れ会。芸能関係者700人、ファン1500人が参列したそうだ。無論、その中に私の姿があるはずはない。

　会の模様はテレビで見た。いろんなタレントが遺影の前で弔辞を述べていたが、私が評価するのは島田紳助のみ。あとは有象無象だ。
　飯島の亡骸(なきがら)が発見されたのは去年のクリスマスイブ。死亡してから4〜5日が経過していた。その間、自称“親友”たちは誰一人、彼女の異変に気が付かなかった。
　親友が2週間も電話しないなんてことがあるのか？　そんなことはないだろう、親友なら。今さらカメラの前で空々しく泣くぐらいなら、生前に電話の1本でも入れておけよって。

　3日夜、新宿ロフトプラスワンで行った「第6回熟女クイーンコンテスト」。
　以前このコラムでも触れたとおり、この場で「飯島愛・もう一つのお別れ会」を執り行った。

　司会のローバー美々は飯島と芸能界の同期生。当時は「ロバ耳ニュース」の大股開きと「ギルガメッシュ」のTバックで一世を風靡(ふうび)した仲だ。アシスタントの渋谷梨果は「プラトニック・セックス」を読んでAV界に飛び込んできた。コンテストに出演した女優たちも全員30代半ばで、飯島とほぼ同い年。ちょっとしたボタンの掛け違いで、人生とはガラリと変わるものだ。
　飯島は生前、大手企業のCMに出演することは一切なかった。「プラトニック・セックス」がベストセラーになってタレントの格が上がっても、CM出演が“解禁”されることはなかった。“AV女優上がり”という区別・差別の中、必死で芸能界を生き抜いてきた飯島…何か、悔しくてたまらない。一方、エロやり続けて成り上がって、金を作ったのに毟(むし)り取られてスッテンテンになり、最後は孤独に死んでいった飯島…いい人生だったんじゃないか、それはそれで。
　いろんな思いが交錯するなか、会場にいる全員が一体となり、彼女に杯を捧げた次第である。

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