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オフタイム:国際理解の原点 /福島

 「日中間には、冷凍ギョーザや国境問題などの多くの課題がある。けれど、個人同士が深く付き合えば、相手の国を悪く思うことはなくなる」

 30年前に北京から福島市に農業研修生として派遣され、今も同市に住む呂学如さん(58)の言葉だ。

 呂さんは農家や牧場に1年間住み込み、農業を学んだ。農家は衣食住を提供し、小遣いもそっとくれた。毎晩のように家族と酒を酌み交わし、5月の節句にはこいのぼりも揚げた。「家族同様の付き合いをしてくれた」と振り返り、「日本人はいい人ばかり。日中関係の冷え込みは、マスメディアがあおっているだけでは」と話す。

 呂さんの話を聞き、思い出した友人がいる。高校時代に米国留学した際の女友達で、インド人のプニマとパキスタン人のヒナだ。両国は宗教対立や国境紛争が絶えないが、2人は放課後を共に過ごし、恋や勉強、将来の悩みを相談し合っていた。ヒナの一言が忘れられない。「プニマと会ってから、インドが嫌いじゃなくなった」

 一対一で話して初めて、相手国への偏見をなくし、興味を深めていくことがある。国際理解の原点と、改めて思った。【今村茜】

毎日新聞 2009年3月6日 地方版

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