大阪の中小企業などが打ち上げた小型人工衛星「まいど1号」の企画・製造に携わった航空部品開発の「アオキ」(大阪府東大阪市)が、宮崎市に進出する。航空・宇宙関連の部品を開発する事業所を設け、今春から操業を開始する予定だ。半導体関連企業から解雇された約30人の従業員を現地採用。青木豊彦社長(63)は「今度は宮崎から新技術を打ち上げたい」と力を込めている。
事業所は「まいど技術センター」と名付け、当面は半導体製造機器の維持管理を手掛ける。将来は航空宇宙機器向け部品などを開発・生産する。
アオキは、従業員35人と小規模だが、青木社長はまいど1号開発計画の発起人を務め、計画をリードするなど技術力には定評がある。
半導体関連業界は、世界的な不況の直撃を受け、九州でも、優秀な技術をもちながら会社を解雇される人たちが相次いでいる。同社は宮崎県内に拠点を置く半導体メーカーと取引があり、解雇された人たちの受け皿をつくれば、自社で彼らの知識や技術が活用できると判断。大阪府以外では初めて事業所を設ける。
同社は17日、宮崎県、宮崎市と立地協定を結ぶ。同センターは初年度、5億円程度の売上高を目指す。
=2009/02/14付 西日本新聞朝刊=