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【社会】

『北』に装置不正輸出か 都内の会社 核兵器製造可能 外為法違反容疑で捜索

2009年2月26日 夕刊

外為法違反容疑で貿易会社「東興貿易」の捜索に入る神奈川県警の捜査員ら=26日午前、東京都新宿区で

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 核兵器などの製造にも使用できる磁気測定装置を経済産業省の許可を受けずに国外に持ち出そうとしたとして、神奈川県警外事課は二十六日、外為法違反(無許可輸出・未遂)容疑で、北朝鮮と関係のある貿易会社「東興貿易」(東京都新宿区)の本社など数カ所を家宅捜索した。県警は、同社が東南アジアの第三国を経由して北朝鮮に装置を輸出しようとしたとみて調べている。

 県警によると、装置は磁石の製造過程で磁力の測定や検査に用いられ、大量破壊兵器製造に使える民生品の輸出を規制した「キャッチオール規制」に該当する。

 東興貿易は、装置を国内の港から輸出しようとし、税関から報告を受けた経産省が許可を取るように同社に通知。同社は通知を無視するかたちで再び東南アジアの第三国に運び出そうとし捜査当局に止められたとされる。

 登記簿などによると、東興貿易は一九九八年に設立された有限会社で従業員三人。金属材料や工作機械の輸出入などを行っている。在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)と関連があるとの情報もある。

 北朝鮮への不正輸出では、国際原子力機関(IAEA)が二〇〇七年に北朝鮮の核関連施設への査察で、核兵器製造に転用できる真空ポンプを発見。神奈川県警が機械メーカーと都内の貿易代行会社を家宅捜索した。また、〇六年には生物兵器製造にも使える凍結乾燥機、〇四年にはウラン濃縮に使える業務用洗濯機インバーターが不正輸出されたとして、貿易会社社長らが逮捕されている。

  ◇

 東京都新宿区西新宿七の貿易会社「東興貿易」の入ったビルには午前九時前、段ボールなどを手にした神奈川県警の捜査員ら七−八人が到着。家宅捜索に入った。

 東興貿易は、事務所などが入る十一階建てビルの最上階に入居している。

 

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