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中学丸刈り:県弁護士会、人権侵害と廃止勧告 「伝統理由にならぬ」--鹿児島・奄美

 鹿児島県・奄美群島の公立中学校で男子生徒に頭髪の丸刈りを強制する校則は「生徒の人権侵害」だとして、同県弁護士会(松下良成会長)は6日、廃止を求める勧告書を、県教育委員会と群島の11市町村教委に送った。松下会長は「『丸刈りは奄美の伝統、文化、慣習』とする学校もあるが、人権を侵害する理由にはならない」と批判した。

 同県奄美市で丸刈り強制反対運動をする保護者から、2月に人権救済の申し立てがあった。県教委によると、丸刈り校則は今年2月現在、群島12市町村の56中学のうち、08年で全廃した瀬戸内町を除く11市町村の37校にある。

 勧告書は「丸刈り強制」について「全国的にみても、奄美群島の中学にほぼ限られている」と指摘。「幸福追求権と表現の自由を保障する憲法と、子どもに意見表明権を保障する『子どもの権利条約』、個人の尊厳を重んじる教育基本法のいずれにも抵触する」と断じた。

 丸刈り校則を巡っては97年、県弁護士会が徳之島・伊仙町立伊仙中に廃止勧告したが、法的拘束力がなく同校は従わなかった。県弁護士会は「改善されないようなら、教委や校長との対話や、勧告より重い『警告』も検討したい」としている。

 県教委義務教育課は「校長が実情に応じて校則を定めており、頭髪を校則で規制することは、一概に人権侵害とは言えない」としている。【福岡静哉、川島紘一】

毎日新聞 2009年3月6日 西部夕刊

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