【事務所報告】桜井淳所長の最近の講演内容-敦賀1号機は即刻閉鎖せよ-
テーマ:ブログ【講演要旨】現在、世界で運転中の軽水炉で、最も古いグループに分類されるものは、あと2ヵ月から1年半で、設計寿命の40年を迎える米オイスタークリーク(BWR, 電気出力65.0万kW, 臨界日1969.5.3), 米ナインマイル1号機(BWR, 電気出力63.5万kW, 臨界日1969.9.5), 敦賀1号機(BWR, 電気出力35.7万kW, 臨界日1969.10.3), 美浜1号機(PWR, 電気出力34.0万kW, 臨界日1970.7.29)、福島第一1号機(BWR, 電気出力46.0万kW, 臨界日1970.10.10)であって、それらは、世界的には、"先行炉"(分かり易い表現をすると試験炉)と位置付けられていますが、米国では、"先行炉"については、あと20年間の寿命延長をしない方針になっており、日本では、最近まで、明確な方針は示されていませんでしたが、日本原電は、2月下旬に、「敦賀3号機と4号機の設置作業が遅れているため、当初の予定を変更して、敦賀1号機をもう少し運転継続する」と発表しましたが、この運転継続は、寿命延長を意味しており、もし、実施されるのであれば、設計寿命40年を基準にすれば、世界で最初の"寿命延長炉"となり、その動向が注目されますが、私は、敦賀1号機については、即刻閉鎖すべきと考えており、その理由は、(1)初期の軽水炉については、設計寿命が40年間と明記されているわけではなく、大きな不確実性の中にあること、(2)耐震設計に大きな不確実性があること、(3)電気出力が低くて経済的メリットがないこと等で、日本原電の主張するような単なる新設作業の遅れという単純な理由では、運転継続すべきではありません。
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