Print this Post Article Lists Back

韓国で今、臓器提供意思の登録がブームに(下)

故・金寿煥枢機卿が残した最後のプレゼント

 保健福祉家族部は最近、職員1785人が臓器提供の意思を示した誓約書を、カトリック教会の「一つの心、一つの体運動本部」に提出した。また、外交通商部、統一部、行政安全部、文化部の4省庁も今月4日から6日まで、希望する職員を対象に、臓器提供の登録を受け付ける。さらに国土海洋部や女性部も、今月中に臓器提供運動に参加する意向を示した。

 文化部の関係者は「庁舎のロビーにブースを設けただけで、文化部として登録を勧めているわけではないにもかかわらず、多くの職員たちが自発的に登録したので驚いた」と話している。公益勤務要員(兵役の代わりに公的機関で働く)として同部で勤務するユ・ジョンウさん(21)=東国大仏教学科=は「わたしは仏教徒だが、金枢機卿の角膜提供のニュースを見て感動した。“輪廻(りんね)転生”の観点から考えれば、目も自分だけのものではないため、他人に奉仕するつもりで登録した」と語った。

 臓器提供運動は軍隊にも広がった。国防部は先月24日、陸・海・空軍の各部隊に対し、「各部隊の条件に合わせ、臓器提供運動本部に協力せよ」という通達を出した。また、海兵隊は創設60周年に当たり、「重点事業」として臓器提供運動を展開する方針を打ち出した。このほか、済州道や延坪島(仁川市甕津郡)、ペンニョン島(同)の部隊でも、隊員たちが一人残らず協力した。海兵隊司令部のキム・テウン大佐(48)は「これまでに996人が臓器提供の登録をし、さらに1000人ほどが登録するとみている」と話した。

 民間企業では、ロッテ・ホームショッピングが6日から3日間、売り上げの1%を角膜提供キャンペーンに寄付することを約束した。臓器提供運動本部はこの寄付金を、低所得層の視覚障害者の角膜移植手術の費用として使うことにしている。また、半導体製造装置メーカーの「ゼウス」も今月19日から20日にかけ、臓器提供キャンペーンを実施する、と発表した。

 臓器提供運動本部のパク・ジンタク本部長(73)は「ただ漠然と、“いつかやらなければ”と思っていた人たちが、金枢機卿の影響を受け、 “今やるべきだ”と臓器提供の登録を決断している。「ありがとうございます。お互いに愛し合って下さい」という金枢機卿の最期の言葉とともに、この動きが長く続くことを願っている」と述べた。

チョン・ヒョンソク記者

ハン・ギョンジン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る