2009年3月6日3時0分
民主党の小沢代表の資金管理団体「陸山会」に違法な献金をしていたとされる「西松建設」が、ダミーとして設立した二つの政治団体に会社の資金を出していたことを隠すため、団体側が7年間で計35回の資金集めのパーティーを開いたように見せかけていたことがわかった。両団体が政治資金収支報告書に記載していた総額約6500万円のパーティー収入は虚偽で、すべて西松建設の資金だったという。
西松建設は、小沢代表の公設第1秘書と陸山会の会計責任者を兼ねる大久保隆規(たかのり)容疑者(47)=政治資金規正法違反容疑で逮捕=と、ダミー団体などを迂回(うかい)させた年2500万円の献金の割り振りを打ち合わせていたとされる。東京地検特捜部は、代表側への違法献金の一部に偽装のパーティー収入が使われた疑いもあるとみて経緯を調べている模様だ。
西松建設が社名を出さずに小沢代表側への迂回献金をするために使っていたのは、同社OBが代表を務める政治団体「新政治問題研究会」(95年設立、06年解散)と「未来産業研究会」(98年設立、06年解散)。
政治資金収支報告書などによると、新政治問題研究会は「新世紀政経懇談会」と称するパーティー19回の収入として計約3500万円(7年間分)を記載。未来産業研究会は「フォーラム日本21」と称する16回の収入計約3千万円(6年間分)を記載していた。
しかし、関係者によると、いずれの団体のパーティーもすべて、西松建設前社長の国沢幹雄容疑者(70)=政治資金規正法違反容疑で逮捕=らが主導した偽装工作だった。実際には、本社から渡されたパーティー会費を、各支店長が個人名で団体名義の口座に振り込んでいたという。