「第2次不二越訴訟」の控訴審第4回口頭弁論が4日、名古屋高裁金沢支部(渡辺修明裁判長)であった。この日は、日韓交渉を研究する吉澤文寿・新潟国際情報大准教授の証人尋問があり「日本はきちんとした補償をすべきだ」と証言した。次回は、五十嵐正博・神戸大大学院教授が証人として認められた。
裁判では、戦時中に「女子挺身(ていしん)隊」として強制連行され過酷な労働を強いられたとして、韓国人女性ら23人が機械メーカー「不二越」(本社・富山市)と国に慰謝料など1億380万円の損害賠償と謝罪を求めている。
吉澤准教授は「日本は植民地支配で朝鮮に被害を与えたと考えずに補償交渉に臨んだ。挺身隊の話は議論されず、女性の被害は俎上(そじょう)に載らなかった」と証言。「日本は謝罪し、きちんとした補償をすべきだ」とした。
吉澤准教授の証人は、原告側が求めたことで、今回初めて実現した。【澤本麻里子】
毎日新聞 2009年3月5日 地方版