雇用不安で急増懸念
自殺者の増加が止まらない。電話相談に応じている「多重債務による自死をなくす会」(神戸市)には、創立から2年で2700件以上の声が寄せられた。多重債務はもちろんDVや依存症、生活保護など様々な問題があり、最近は就労に関連した悩みも多い。同会が7日、神戸市の神戸ポートピアホテルで開く集会では、自殺対策には欠かせない支援者の連携について考える。
警察庁の統計では、自殺者は1998年から10年連続で3万人を超えている。特に98年は前年比で35%も急増。背景には不況の影響があったとされ、雇用の不安定さが増している今と状況は似ている。
集会では、秋田大医学部長の本橋豊さんが「緊急提言―98年当時の自死者急増を招かないために―」と題して基調講演。父を自殺で亡くした女子学生が、自死遺族が生活を再建するために必要な支援について話す。
また、自殺対策に欠かせない職域を超えた連携について、行政、NPO法人、司法、医療などの関係者がそれぞれの立場から語り合うシンポジウムもある。
同会代表幹事の弘中照美さんは「『なくす会』がコーディネーターの役割を担って、様々な職種の人たちと力を合わせ、困っている当事者に届く支援をしていきたい」と話している。
午後1時20分から。参加無料。定員160人。申し込み、問い合わせは同会(ファクス078・361・7228)、メール(hironakakagerin.jp)、HP(http://cosmos‐ikiru.com)へ。相談電話は(080・6159・4730)。
(2009年03月02日 読売新聞)