とても迷ったのだけどJASRACについて書く。
この団体について僕はうまく感情をコントロールすることができない。
その名前を聞けば心がざわめくし、文字を目にするだけで感情が動く。
端的に言うと僕はJASRACが嫌いだ。
それは憎しみに近い。
はっきりしていることを書く。
あるお店がある。そのお店にJASRACの人がやってくる。
「あなたのお店でうちの管理している曲が流れている。使用料を払え」
そのお店は、仕方なく楽曲の使用料を支払う。一年間で数千円だろう。
しかし、そのお店でロボピッチャーが何度流れたとしても、僕らには一円も入ってこない。
そのお店がどんなに僕らを愛して、僕らの曲を流してくれたとしても、そのお店が支払った楽曲使用料が僕らのもとへやってくることはないだろう。少なくとも今まではなかった。
日本のほとんどのライブハウスは楽曲の使用料をJASRACに支払っている。
僕らは日本中のいろんなライブハウスでライブをやった。
でも、その使用料はほとんど支払われない。
JASRACはいうだろう。
「それは仕方のないことです。日本中すべてのライブハウスでどんな曲が使用されているかなんて、我々は把握できないのだから」
その意見はわかる。確かにそうかもしれない。
でも、それならばお前たちはお金を集めてはいけない。
そのお店でどんな音楽が流れるのかを把握できないのなら、そのお店からお金を取ってはいけない。
なぜそんないい加減な商売が成立しているのか僕にはわからない。
ミュージシャンがJASRACに楽曲を託したのは、お店からお金を取り立てるためではない。自分たちの曲がきちんとどこかに届き、そこで金銭が発生したならその分の適正な金額をもらいたいからだ。別にお前たちの金もうけの道具になりたいわけじゃない。
JASRACはお店からお金を取る。そのお金はミュージシャンには届かない。届いている人もいるかもしれないけれど、僕らには少なくとも届いていない。僕の曲は少なくとも毎週ラジオで一曲は流れている。僕がDJの番組でかけているのだから間違いない。でもそのお金も入ってこない。
彼らはお金を必死で集める。そのやり方は本当に陰湿だ。僕は数々のイベントをやる中で、何度もものすごく嫌な思いをした。彼らは「お金を払えば、それですべてうまくいくのです」という。「お金を払えばめんどくさいことにならないのです」という。「お金を払えば裁判はしませんよ」という。でも彼らにお金を払っても、僕らの愛する音楽にはそのお金は届かない。
今ニュースでJASRACのことが流れてる。
独占禁止法に引っかかったと言っている。
でも、もっと根本的なことなんだ。問題は。
音楽を必死で作った人たちのもとに、その音楽を愛した人たちが支払ったお金が届かないってことだ。
そのお金は彼らのところで止まっている。
もちろんJASRACは、どこかには支払っているんだろう。
まったく払ってないわけじゃない。
でも、公平にみんなに均等に払っているわけじゃない。
それなのに彼らは公平に均等に、みんなからお金を徴収していく。
そんなのフェアじゃない。
すごく簡単な欺瞞なんだ。
「お金を払ってください。使用料です」といって彼らはお金を取る。でもその使用料は僕らには入ってこない。
だったらそれは詐欺だ。
なぜそのことがもっと問題にならないんだろう。
包括契約のことばかりがニュースになっているので、もっとミニマムなところでも問題はあるんだよというblogでした。
僕は、JASRACほどの悪をしらない。
彼らがいなかったら、音楽はもっとエネルギーをもつだろう。
彼らは音楽を食い物にした。
あさましく食い荒らし、音楽を魅力のないものにした。
これは、僕の周辺の音楽にまつわることだ。
たぶん、もっと上のほうの音楽ではJASRACはきちんと機能しているのだと思う。
たとえば、僕はCDの売り上げ枚数に即した著作権使用料はきちんといただいている。カラオケに入っている僕の曲の使用料もいただいている。それについてはありがとう。今期はカラオケだけで903円も入ったよ。ありがとね。
こんなことを書いたら、訴えられたりするんだろうか。
でも本当に事実しか書いてない。
伝えたいことは一つだ。
もっと知ってほしい。音楽をとりまく環境や、システムのことを。
その無知が、世界に歓喜の音を振りまくことを止めてしまうかもしれないのだ。
JASRACがどんな問題点を持っているのかを、調べて知ってほしい。
その上で、対策を立てようじゃないか。
音楽が少なくとも鳴りやまないように。
Posted by kato takao at 2009年03月01日 03:14 | TrackBackすごく意味のあるブログだとおもいました。
加藤さんはちゃんとしていてかっこいい
JASRACと戦い、これを打倒したい!
この思いがかなり前から根付いています。
問題は、具体的に何をすればいいのか。
これが見えてこない点です。
私にできるのは、今のところ友人にこの組織の姿を暴露させるくらいで、とてももどかしく思います。
音楽税を不当に徴収して、私服を肥やす。
こんなことで音楽文化を潰しにかかる。
許していいはずがないのに、まだこの組織の命数がつきません。
今日も誰かが被害にあっていると思うと、悔しい限りです。
Posted by: Mar-Q on 2009年03月03日 03:09
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