献金・団体代表者名取り違え記載、陸山会ずさんな管理
小沢一郎・民主党代表の資金管理団体「陸山会」を巡る政治資金規正法違反事件で、陸山会が、準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)の二つのダミーの政治団体の代表者名を、4年間にわたって取り違えたまま政治資金収支報告書に記載していたことが分かった。
陸山会の事務担当者を務める小沢代表の私設秘書は、読売新聞の取材に、「前年の収支報告書を参考にしていたため、間違いに気づかなかった」と話している。陸山会がずさんな記載を続けていた実態が浮かび上がった。
西松建設は、ダミーの政治団体として、1995年に新政治問題研究会、98年に未来産業研究会を設立。「新政治」の代表には、同社の元営業管理部長、「未来産業」の代表には同社の別の元営業管理部長をそれぞれ就任させていた。
政治資金収支報告書によると、陸山会は両団体から2003年に計700万円、04年に計700万円、05年に計600万円を受領。06年は「新政治」から100万円を受け取っていた。
ところが、最初に献金を受けた03年に両団体の代表者名を逆に書き、04、05年も同様に間違えたままだった。最後の06年も、「新政治」の代表者名を書くべきところに、「未来産業」の代表者名を書いていた。
総務省政治資金課によると、政治団体は献金を受けた場合、献金した側の政治団体の代表者名を把握して、収支報告書に記載する義務がある。同課の担当者は「代表者名を直接確認するのは当然の手続きになっている」と指摘する。
両政治団体は西松建設の献金を表に出さないためのダミーで、小沢代表側は、献金を受ける際に、政治団体ではなく、西松建設に請求書を出していた。政治団体の代表者名を毎年、誤記し続けてきたのは、陸山会が両政治団体とあまりやりとりをしていなかったためとみられる。
陸山会は2000年以降、政治資金規正法違反容疑で逮捕された小沢代表の公設第1秘書、大久保隆規容疑者(47)が会計責任者を務めている。
大久保容疑者のもとで05年以降、事務担当者として同団体の収支報告書を作成してきた小沢代表の私設秘書は「収支報告書はパソコンに保存した前年の報告書を参考にして作っている」と説明。その上で「前年と同じ献金元は、毎年、コピーして書いていた。03年当時の前任者が最初に間違えたので、私も間違えてしまった」と釈明している。
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