二枚舌は兄譲りか~(株)RITOYO木建市場~(1) |
[特別取材]
2009年03月03日 14:30 更新
年が明け正月気分が抜けきれない2009年1月5日だった。北九州市に本社を置く松屋産業(株)に対して問い合わせが殺到。1月7日には事業を停止したことが確認された。以前から信用不安が流れていたのは事実だったが、経営破綻が現実となったのだ。松屋産業が破綻したことで当然、業界の目は「代表の弟」「同業」「松屋産業の出身」である(株)RITOYO木建市場に向けられることになった。
老舗業者の破綻
破綻した松屋産業は1922年に個人創業され、65年4月に松屋木材(株)と合併する形で設立された老舗業者。92年に世取秀文氏が代表に就任し、地場工務店などを主取引先として94年3月期には約93億円の売上高を計上し、本社のある北九州市のほか、宗像市、行橋市、鳥栖市そして大分市に木材市場を置いていた。
しかし、激しい市場競争に晒されて業績は悪化の一途を辿っていった。だが一説に寄ると世取秀文代表のワンマンぶりは有名で、関係者によると会社の運転資金でクルーザーや高級外車を購入したと聞き、時を追うごとに放漫経営に拍車が掛かったとされ、後日の信用失墜に繋がったとされる。
そして、1月7日事業停止が確認され2月13日に破産開始決定がなされた。こうして、老舗業者は終焉を迎えた。
実兄との対立ののち独立
松屋産業破綻の影響で問い合わせが多発したのが、弟の世取丈志氏が経営する(株)RITOYO木建市場。2003年4月に設立された地場木材販売業者で、定例市場を毎月6、16、26日に開催し、地場工務店など向けの木材販売や住設機器の販売などを主に手掛けている。
この世取丈志氏は、松屋産業時代から世取秀文氏とは折り合いがつかず、とても仲が悪い兄弟だったことで業界内では有名な話。更なる兄のワンマンぶりが世取丈志氏にも波及し始めたことで同社設立を決意し、松屋産業との袂を割った。2007年9月、朝倉郡筑前町の本社を購入し、今までの経験を活かした経営を行っていくことになる。
【道山】
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