関西テレビ放送株式会社

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テレビの木

立命館大学との共同研究#02〜スーパーニュースアンカー編〜

〜関西芸人、関西弁なしの関西ローカルバラエティは成立するのか?〜

「スーパーニュースアンカー」から見る「関西らしさ」についての考察

関西以外出身チーム…「お金」と「アナウンサーの存在」から関西ローカリティを考えました。
「ナンボDEなんぼ」では、お金をテーマに「単なる金額への興味ではなく、お金を触媒にして人の生活や生き様を描いている。過剰な浪費にツッコミを入れて正そうとするお節介さも見られる。」と考察がありました。
もう一つ、司会の山本浩之アナウンサーの存在感について、「関東・東海地方でイメージするアナウンサーと異なり、『アナウンサーは標準語を話す』という固定概念を覆して関西弁を話している。また、ともに司会を担当するメッセンジャー黒田氏との会話が漫才のように掛け合いになっていて、単なるアシスタントの役割に留まっていない。個性が際立っていた。」という意見がありました。
[写真] 関西以外出身チームのプレゼンテーション。

関西出身チーム…「笑い」と「演出」、「お金」をテーマに考えました。
関西らしさについて、一つ目は「失敗談をあえて出して笑いをとることで、会話を盛り上げ、お互いの距離を縮めている。」として、山本アナウンサーが自身をネタにしたトークシーンを取りあげました。
二つ目は、トーク番組の演出方法や台本への意見でした。「テーマから脱線したり、出演者がとっさに言ったセリフを繰り返す演出が番組を面白くしている。テーマから離れて話を広げていくことや、台本がないような展開は、私たちの日常会話の形に近く親近感が持てる。」と東京制作の全国ネット番組に比べて距離感が近いことをあげました。
三つ目のお金に関しては、前チームとほぼ同じ見解で「お金を通じて他人の生活や価値観を知ろうとする」という考察でした。
[写真] 関西出身チームのプレゼンテーション。

「なんぼDEナンボ」のプロデューサーとディレクターから意見と質問がありました。


  • 山本アナウンサーの話が出ましたけれど、僕も最初すごくびっくりしたんです。山本さんはアナウンサーなのに面白いことをしていると思っていたのですが、実はそうじゃなかった。
    無茶苦茶面白い人がたまたまアナウンサーになったんです。ニュースとバラエティの時とは顔は違いますけれど、どちらも本当の山本さんだという考えに変わりました。
  • 私も皆さんと同じく出身は関西以外で九州です。「ナンボでなんぼ」を2年くらい担当しています。
    山本さんには、同じようにびっくりしたんです。ほんとにアナウンサーか?と。 ご指摘の通りで、人の失敗を見せて笑いをとるのは関西らしいと思います。人には恥ずかしくて見せられないものをあえて見せて親近感をだすのもその通りだと思います。しかし普段は、関西らしさをそんなに細かに意識しているわけではありません。
    山本さんの話にもどれば「アナウンサーらしさ」とは何かな?と考えます。キャラの強い方ですから、こんな風にとりあげられるのもわかりますが、芸人さんと対等に並べるわけではない。バラエティでは、笑いも取りながら進行もするというアナウンサーの役割が求められ、私たちもそれを期待しているところがあります。

  • 「無駄無駄調査隊」では、たとえば金額を示して終わりでなくさらに突っ込んでいく。「ブランドバックが100万円」だけでは終わらせない。
    これはメッセンジャー黒田さん、山本アナウンサーがお金・モノより人間に興味がある方で、母からベンツをもらっている女性についても、ベンツより「なぜそんなものを買ってもらう関係になっているのか」というところに興味があるのだと思います。
    逆に言うと、ブランドバッグ30個をもっている女性でも、バッグが大好きで自分で買ったのであれば何も問題はない。自分で稼いでいるのだから納得して話は終わる。バイトもしないで収入もないのに30個持っているのはなぜだ。彼氏に買ってもらったとしてもそれが普通なのか?その疑問を「無駄無駄」では聞いていくのですが、それは二人がモノより人物に興味があるからです。すべて計算しているわけではありません。
    たとえば、二人にびっくり箱を用意しても驚かない。こちらがネタを準備しても普通だと取り合ってくれないことがあります。僕らは驚くようなことをできるだけたくさん投げかけて、あとは二人に任せて料理をしてもらうことにしています。


  • 根本から違います。「関西らしい」ものを作ろうとは思っていません。「面白いもの」を作ろうとは思っている。だけど(結果的に)関西ならではの「つくり」になっています。
  • 東京のタレントと大阪の芸人さんの違いですが、東京の芸人さんは失敗したらもう一度取り直しそうというのが上手で平気でやってくれます。関西ではうまくいかなくても「一発目のリアクションが一番自然なんや」とこだわる人がほとんどです。
    あえていうなら、関西らしさというのは、きれいに撮るということよりも、自然に生まれてくることが面白いとする。内容によるが、それを「関西らしさ」というなら、僕も一発で出るものが好きでこだわっています。
  • 台本がそれほどきっちりと決まっていないことが多い。大体のこういう流れでいくとしか決まっていません。ここでこういうセリフで笑いをとってくださいとは書いていない。一回リハーサルをして笑ったもので、本番で同じように笑いをとることはタレント、芸人も恥ずかしくてできません。結果、一発勝負にしたいと思います。
    関西チームの発表にテーマから離れていく脱線の面白さを挙げていますが、確かに関西の注目されるところで特徴です。しかし、脱線をしすぎると何をやっているのかわからなくなり、視聴者と離れてしまう危険性を持っています。自分の番組でそういったことがあり反省も含めて感じました。
  • 何回も何回もリハーサルをして本番にいく放送局もある。そんなセリフは、本番ではずかしくて言えないという芸人さんの話をよく聞きます。
  • 想定していないようなところに話が外れていく、それが楽しみでもあります。そういうものを編集したところに「関西らしさ」が出てきているのではないかと思います。
  • 今回は番組制作者の意見が多く出た結果になりましたが、後半の講義へ向けて学生たちには課題がいくつか見えてきました。
    関西出身の学生にはアイデンティティという思いがあることも関西以外の学生には実はすごくいやだなあと思っていることがあるかもしれません。
    今後は、きれいな良い面だけのピックアップではなく、いろんな要素をそぎ落としていって残った関西が何かを研究していきます。あと半年、勉強していきます。今後も講座の内容はこのページを使って随時お知らせいたします。

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