2008年4月、立命館大学産業社会学部と共同研究がスタートしました。今回、学生と一緒になって考えるテーマは、
「関西らしさって、何だろう?」
「関西芸人を使わない、関西弁を使わない関西ローカルテイストの番組は成立するだろうか?」ということです。
当社は、大学と共同で1年間15回講義を持ち、社員が講師となって前期3回、後期3回の出張授業を行います。パートナーとなる学生は大学2年生と3年生の14名。出身は関西と関西以外がほぼ半々です。
講座では、制作、報道、アナウンサーなど様々な職種の人間が、それぞれの立場で、全国ネット番組や関西ローカル番組でどう関西を考えてきたか報告します。学生は、それを受けてテーマに迫ります。この1年の終わりには、受講生から「関西らしさ」の研究発表と企画提案を受けることになっています。まずは、その途中経過をお知らせいたします。
5月26日(月)、情報番組の担当プロデューサーが講師をつとめた回では、自身も東北地方出身という特異な視点からユニークな体験を交えた講義が行われました。以下に主な内容をまとめました。
入社して最初にスタジオ見学したのが、ローカル番組「花の新婚!カンピューター作戦」でした。親子で下ネタトークができるあけっぴろげさと平然さに驚きました。当時東北地方では、そういう親子関係は築けないし、有り得ないことでした。それとテレビ局の立地にも驚きました。当時の社屋は兎我野町にあり、飲み屋街・風俗街の真ん中だったのです。
情報・企画性が優先の関東・その他の地方に対して、関西はバラエティ性が優先される傾向があると思います。また、公開収録を見ても、関東などの観覧者は番組制作に協力する喜びが高く、一所懸命さが前向きに出てるのに比べ、関西は、Fan to make a TV program!例えば、タレントが面白いことを言えばスタジオであっても素で大爆笑してます。まずは自分が収録を楽しんでます。ノリが良いですよね。
当社は、かつて人物重視のアナウンサー採用を行った事がありました。そのために既に定年退職されていますが、関西弁しか話せないアナウンサーがいました。受講生には、桑原征平アナの番組「さらば征平・最後の挑戦!」(民放連・テレビエンターテインメント最優秀賞)を視聴してもらい、その後で解説をしました。
新人報道カメラマンとして配属された初日深夜、歓迎会の3次会中に「奈良県天川村山中で小学生のグループが濁流で行方不明に!」との連絡が会社からあり、現場へ直行しました。カメラを触ったことのない新人が捜索活動の取材を行いました。泣く子も黙る!報道現場の厳しさ…がそこにはありました。
また、学生の番組レポートに対する回答も行いました。「お笑いワイドショー マルコポロリ!」や「快傑!えみちゃんねる」「痛快!エブリデイ」など、担当プロデューサーからの返事をいたしました。
その他にも、学生からは「全国ネット番組に比べて、関西ローカル番組の方が人間臭さが見えるのは演出上、意識しているか?」「関西ローカル番組を制作する際は、どう関西らしさを出そうと考えているか?」など多数の質問があり、40分以上にわたる意見交換がありました。
この1年間の研究でどういう結論が出るかは、まだ分りませんが、今後も共同研究の様子は、引き続きHPでご報告いたします。