小沢一郎民主党代表の資金管理団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反事件で、逮捕された小沢代表の公設第1秘書、大久保隆規容疑者(47)側が、準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)の現職幹部から一部の献金を直接受け取った疑いがあることが関係者への取材で分かった。大久保容疑者が同社に金額を指定した請求書を送付していたことも判明。東京地検特捜部は、大久保容疑者側が西松建設からの違法な企業献金と認識していたとみて追及する。
大久保容疑者は陸山会の会計責任者だった03~06年、西松建設から計2100万円の献金を受け取りながら、同社OBが設立した「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」の二つの政治団体(解散)からの献金だったと装う虚偽記載を政治資金収支報告書にした疑いが持たれている。特捜部の調べに対し、大久保容疑者は違法献金の認識を否定しているとみられる。
西松建設関係者によると、同社は政治家側に献金する場合、これら2団体名義で銀行口座に振り込んだほか、役員クラスの幹部が議員事務所などに直接持参することもあったという。献金額や献金先は、大久保容疑者と一緒に逮捕された前社長、国沢幹雄容疑者(70)が中心になって決定していたとされる。
一方、大久保容疑者は陸山会から同社に直接請求書を送り、同社は2団体を通じて献金していたという。
特捜部は、大久保容疑者が西松建設と直接やりとりがあったことを重視し、当時の幹部社員らから事情聴取を進めている。
また、一部幹部は小沢代表側への献金について「(代表の地盤である)東北地方で工事を受注するには、小沢代表側に頼る必要があった」などと話しているという。
毎日新聞 2009年3月5日 東京朝刊