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自殺防止:行政の前進期待 国の要人2人、東尋坊訪問 NPO活動も視察 /福井

 自民党の尾辻秀久参院議員会長と、内閣で自殺問題を担当する鴻池祥肇官房副長官が1日、NPO「心に響く文集・編集局」(茂幸雄理事長)の活動を視察したことで、NPOのメンバーらは、国や自治体レベルでの自殺対策のさらなる前進に期待を寄せている。【大久保陽一】

 NPOの事務所を訪問した2人を前に、茂理事長は「国民の命を守るのは行政の仕事のはずだ」と繰り返し、自殺を思いとどまらせる看板の設置や、保護した自殺志願者を一時収容する施設の整備を両議員に訴えた。

 尾辻会長は06年に施行された「自殺対策基本法」制定の中心メンバーでもある。茂理事長は「話したいことはすべて言ったつもりだ」と話し、2人からは東尋坊の自殺対策推進に前向きな返答が得られたという。

 尾辻会長らと共に行った東尋坊のパトロールには、小竹正雄・健康福祉部長ら県の担当者も初めて同行した。小竹部長は「県としても、きめ細やかな自殺対策に取り組んでいきたい」と話した。

 茂理事長は3、4の両日、内閣府に招かれ、自殺対策を担当する都道府県の担当者向け研修会で講演する。「ようやく我々の活動も、国や県の理解が得られるようになってきた。東尋坊の実情を全国に知ってもらうため、パトロールと同様に情報発信の場も大切にしたい」と意気込む。

毎日新聞 2009年3月2日 地方版

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