ツアーバス利用急増 海部観光、低料金や利便性魅力 2009/2/1 14:28
海部観光(本社・美波町奥河内)が運行する高速ツアーバスの利用が急増している。徳島-東京間で、昨年十一月は前年比の約二・五倍、十二月は約一・七倍。景気悪化が追い風となり、飛行機や高速路線バスより安い料金に人気が集まっているようだ。
海部観光は、徳島-東京、大阪間の二路線のツアーバスを毎日、上下各一便で運行。到着後の観光プランはなく、実質は高速路線バスと同じ。
片道料金は東京線が八千円(四列シート・トイレなし六千円)、大阪線が二千五百円。飛行機より七、八割、高速路線バスより二-四割安い。
若年層を中心に低料金が受け、利用者は年々増加。特に景気悪化の影響が目立ち始めた昨年十一月は、東京線で前年の八百九十八人を大きく上回る二千二百五十六人、十二月も前年の二千百十三人に対し三千五百九十六人と急増した。大阪線も昨年は前年の約一・二倍となった。
海部観光は、料金に加え、乗降場所に乗客専用駐車場を設けるなど利便性を高めたことが、利用急増の要因とみている。
一方、徳島バスの高速路線バスの利用者数は、昨年十一月、十二月の合計で、東京線が前年同期比二百二十八人減の六千八百八十三人、大阪線は二千二百十四人減の七万八百三十五人。
同社の担当者は「高速ツアーバスが利用者減の一因ではある」としている。
ツアーバスは需要に応じて増減便できるなど、路線バスに比べて運行形態の自由度が高く、料金も安くしやすい。ただ、過当競争で過重労働による事故が続発し、安全性が問題視された時期もあった。昨年十月には全国組織の高速ツアーバス連絡協議会が設立され、安全対策に力を入れている。