【経済】高速バス不況知らず JRが名古屋−東京を来月増発2009年3月4日 朝刊
不況下で高速バスが踏ん張っている。ジェイアール東海バス(名古屋市)は4月3日から、名古屋−東京間の夜行バスを週末や祝日などに1往復、増発する。名鉄バス(同)も1月に名古屋−松山間を新設した。乗車時間が長いとはいえ、運賃の安さは魅力。ビジネス客の減少で乗客数が落ち込んでいる東海道新幹線とは対照的だ。 ジェイアール東海バスが増発に伴って新設するのは、女性専用車「青春レディースドリームなごや」。上りは午後10時45分に名古屋駅を発車。6時間40分後の翌日朝にJR東京駅に着く。 4月28日からは後部席1列分のスペースを割いた化粧室を備える新型バスを導入し、利用者増を図る。 運賃は片道5000円。インターネット予約で4410円に下がる場合もある。名古屋−東京間の新幹線「のぞみ」の通常運賃(1万780円)の半額以下だ。 名鉄バスが新設した名古屋−松山間の運賃は片道1万円で、同区間の現在の普通航空運賃(2万3500円)より安い。 同社の1月の名古屋−富山間の高速バスの乗客数は、昨年夏の東海北陸自動車道の全面開通の効果もあり、前年同月比約60%増と好調だった。 また、旅行会社のツアー高速バスの中には、名古屋−東京間の運賃を2000円台後半に設定する夜行便もあり、乗客数を順調に伸ばしている。 中部運輸局によると、昨年12月の管内バス会社8社の高速バス乗客数は6・8%増の12万6000人と堅調だった。担当者は「運賃の安さが影響したのでは」とみている。 (池井戸聡)
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