赤字経営の続く西条市立周桑病院(西条市壬生川)の在り方を検討してきた市長の諮問機関「市医療基本構想策定委員会」(委員長=松浦裕・市医師会長)は4日までに、「市が出資して医療法人を設立し、(指定管理者として)運営を委託することが実現性、安全性、信頼性のある解決策である」との方針を答申した。
答申によると、指定管理者制のほか、地方独立行政法人化や民間譲渡などのメリットや課題について検討。自治体の意思を反映させたり大学からの支援が受けやすく、経営の自由度も高いことなどから、市が出資する医療法人への運営委託が望ましいとした。
同病院の経営は02年度に赤字となり、累積赤字は約21億3000万円(07年度末)。有識者や医療関係者などによる策定委員会を昨年10月に設置し、抜本的な経営改善策などを検討してきた。伊藤宏太郎市長は「どんな形でも拠点病院として残すことが必要。医師会や大学医局、地域の開業医との協力関係を確認するなどし、秋ごろまでにはきちんと方向性を示したい」と話している。【加藤小夜】
毎日新聞 2009年3月5日 地方版