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03/05-12:53--瀬戸内・錦海塩田跡地　１千世帯水没も…　業者の経営悪化で排水困難に

　瀬戸内市牛窓、邑久両町にまたがる「錦海塩田跡地」（約５００ヘクタール）の埋め立て問題で、所有者の錦海塩業（同市邑久町尻海）が休止状態に陥り、１千世帯近くが水没する可能性のあることが４日、定例岡山県議会で明らかになった。堤防や排水ポンプの維持管理ができなくなるためで、石井正弘知事は、同市と連携して支援方法を検討する考えを示した。 　一般質問で問題を取り上げた神宝謙一氏（自民）らによると、１９６２年に埋め立てが完了した跡地には、雨水や住民の生活排水のほか、１日当たり約４万６千立方メートルの海水が流入。 　同社が堤防を築き、年間約１億３千万円掛け、ポンプで海水を排出してきた。 　同社は０２年に製塩業を廃業後、同跡地で産業廃棄物処理業を営んでいたが、０８年末で県の許可申請を終了。新規事業として、海域のしゅんせつ土を埋め立てる計画としたが、環境悪化を訴える漁業者らの同意が得られず、一向に進まなかった。 　このため、経営状態が著しく悪化し、維持管理費の負担が不可能な状態になった。ポンプが停止すると、周辺世帯が水没し、農地や立地企業、道路にも被害が及ぶという。 　神宝氏は、自前のパネル４枚を手に危険性を強調。「地元だけでは、もうどうにもならない。周辺には約１千世帯が暮らしており、住民の必死の思い、切なる声を溜まりゆく水とともに何としてもくみ上げてほしい」と訴えた。 　これに対し、石井知事は「堤防や排水施設は、民間企業が所有しており、現時点で県が管理することは困難」と、県の立場を説明。 　しかし「瀬戸内市で適切に対処されるべきだが、県民の安全・安心の観点から、具体的な課題の共有を図るよう関係部局に指示した。市と連携し、県として可能な支援を検討したい」と力を込めた。

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