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重篤小児救急検討会が初会合―厚労省

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 厚生労働省は3月4日、「重篤な小児患者に対する救急医療体制の検討会」の初会合を開き、委員らからの小児救急の現状などについてのヒアリングのほか、今後の議論の方向性についての意見交換を行った。

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 同検討会は、厚労省の「救急医療の今後のあり方に関する検討会」の作業部会に当たり、「重篤な小児患者のための高度な救急医療体制のあり方」「メディカルコントロール協議会との連携のあり方」「県域を越えた広域連携のあり方」について話し合う。

 冒頭、座長に就任した日本小児科学会小児救急委員会の中澤誠委員長は、三次救急医療や小児の救命救急医療に関しては、これまで全くの未整備だったと指摘した上で、「従来の小児救命救急センターの中で、個人的な、あるいは施設ベースの努力で対応がされてきたが、それを多少なりとも制度化していくことがこの検討会の大きな役割だと考えている。この三次や救命救急施設の充実が、今疲弊を来している二次救急医療の負担を減らし、全体の医療の質を高めることにつながるのではないか」と述べた。

 その後、委員から小児救急の現状が報告された。
 順天堂大浦安病院救急診療科の山田至康教授は、救命救急センターでの小児救急医療の現状を報告。日本の1−4歳の死亡率が他の先進国と比較して高いことについて、小さな施設で十分な集中医療を受けることなく亡くなっていると指摘し、小児に対応した集中治療を行うPICUを設置し、スタッフを配置する必要があるとした。また、「小児高次救急への新たなシステムが必要」と述べ、PICUを有効に活用するための重篤小児の搬送システムの構築や、外傷など外因性疾患への対応の必要性を指摘した。山田氏はまた、PICUの種類として、小児病院に設置され、小児のみに対応する「1型」と、救命救急センターに設置され、成人と共用の「2型」を示した。

 続いて、静岡県立こども病院小児集中治療センターの植田育也センター長が「1型」について報告した。
 植田氏は「1型」の利点について、「生まれたてから大きめの小児まで、制限なく検査、治療、看護が提供できること」を挙げた。また、同病院でPICUでの治療を開始したところ、内因性・外因性疾患共に治療成績が向上し、カバーする医療圏で小児死亡が減少したことを明らかにした。

 一方、北九州市立八幡病院小児救急センターの市川光太郎センター長は「2型」について報告。「救命救急センターで小児のICUを扱うのは不可欠」としながらも、「本丸の1型PICUがあって、とりでとなる2型が動けるシステムが必要」と述べた。

 その後に行われたフリーディスカッションでは、国立成育医療センター総合診療部の阪井裕一部長が「対象としている重篤な小児の救急患者は非常に少ない」と指摘した上で、「議論の道程として1型、2型に分けることは悪いことではないが、あくまでもPICUの重点化か集約化がポイント」と強調した。これについて、中澤座長は「今後の議論の核心に触れるものだ」と述べた。

 検討会は、5月末をめどに結論を取りまとめる予定。


更新:2009/03/04 23:00   キャリアブレイン

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