“ナックル姫”えりちゃん勝利呼び込むバットガール
◆ かいがいしい姿がナインに勇気 ◆
<神戸6−2紀州>やっぱり勝利の女神!?ナックル姫こと吉田えり投手(17)が所属する関西独立リーグ・神戸9クルーズが3日、和歌山県内で初陣となる紀州レンジャーズとのオープン戦を行った。1点を追った7回に2ランなどで4点を奪うと、9回に2点を追加。鮮やかな逆転勝利で好スタートを切った。
「そりゃ負けるより、勝った方がええよ」
白星が決まると、中田監督は安堵(あんど)の色を浮かべた。ノーサインだったとはいえ、初回の1死満塁を逸するなど拙攻のオンパレード。空回りを続けるナインの清涼剤となり、勇気を与えたのが吉田だった。
球場入りするなり、最年少だからと言ってバットガールを志願。冷え込みがきついのにバットの片付けにかいがいしく動けば、雨に濡れた用具をふき、ファウルボールも追いかけた。「いつか打ってくれる」と猛打爆発を胸の中で願い続けていたそうだ。
「逆転した時はうれしかった。いいですね、ああいうのは」
ひな祭りの日にバットガールで“実戦デビュー”。ナックル姫の無垢(むく)の祈りが、雨空からツキを呼び込んだ。
[ 2009年3月4日付 ]