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【八百長判決 要旨(4)完】“世紀の一番”に関する取材「誠に不十分」 (1/2ページ)

2009.3.5 16:40
東京地裁への出廷を終え、記者の質問に答える日本相撲協会・北の湖前理事長=平成20年10月16日、両国国技館(撮影・吉澤良太)東京地裁への出廷を終え、記者の質問に答える日本相撲協会・北の湖前理事長=平成20年10月16日、両国国技館(撮影・吉澤良太)

 元小結・板井の板井圭介氏の証言などは、内容なども曖昧(あいまい)な点が少なくない。それ自体裏付けを欠くものであるし、弁護士の伊佐次啓二氏に対する平成8年5月10日付陳述の内容と矛盾することなどをかんがみると、板井氏の証言などをもって、本件記事で摘示された各事実が真実であると信じるについて相当の理由になるとはいえない。

 講談社らは、日本相撲協会が故意による無気力相撲の懲罰規定を定めていることは、八百長が存在することを実質的に認めている趣旨で、平成元年や3年に当時の二子山理事長(元横綱の初代若乃花、花田勝治氏)らが親方や力士などを集めて訓示や警告をしたことは、対内的に八百長の存在を認めているものであると主張する。

 しかし、故意による無気力相撲懲罰規定は、いわゆる八百長以外の理由による故意による無気力な相撲も懲罰の対象としていると理解され、いわゆる八百長のみを対象としているとは認められない。

 そして、平成元年や3年の二子山理事長をはじめとする相撲協会による親方や力士などに対する説明などは、故意による無気力相撲に対し、厳重に処罰することを理事会で決議し、その旨を親方や力士などに伝えるものであり、相撲協会が八百長を容認し、放置していることを裏付けるものとはいえない。

 しかも、本件記事において理事長就任前も後も八百長を指示したと記述されている花田勝治氏は、理事長として相撲協会の先頭に立ち、親方や力士などに故意による無気力相撲を行わないことを厳しく求めている。これらの事実は、花田氏が2度にわたって八百長を指示したとか、北の湖前理事長率いる相撲協会が八百長をする力士をしかれないなどといった講談社らの主張する事実を裏付けるものでもない。

 したがって、故意による無気力相撲懲罰規定の存在や、平成元年および3年の二子山理事長らの説明などが、本件記事の摘示した事実が真実であると信じるについて、相当の理由となるものではない。

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東京地裁への出廷を終え、記者の質問に答える日本相撲協会・北の湖前理事長=平成20年10月16日、両国国技館(撮影・吉澤良太)
北の湖部屋を出る日本相撲協会の北の湖前理事長=昨年10月16日午前11時、東京都江東区
 八百長疑惑記事をめぐる裁判で、証言するため東京地裁に向かう日本相撲協会の北の湖前理事長=平成20年10月16日午後1時4分、東京・霞が関
横綱・朝青龍
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