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【八百長判決 要旨(3)】「理事長は無気力相撲を厳しく戒めた」 (1/3ページ)
平成3年9月6日、日本相撲協会の二子山理事長と出羽海監察委員長は、親方と力士らを集め、前日の理事会で決まった決議事項について説明した。
出羽海監察委員長は、理事会が、故意による無気力相撲に対し、出場停止など厳重に処罰することを決議したことを伝えた。
また、出羽海監察委員長は、故意による無気力相撲は相撲道の研究、技術の錬磨を行う日常の稽古を怠る起因となり、公(おおやけ)に取り上げられた場合、協会の存立を危うくするものであるなどと述べた。
なお、二子山理事長は話の中で「ほんとに鬼になってやってもらいたい。無気力相撲第1号にならないように。もしそうなったら、国にいる母親も父親も兄弟も大恥だ。不名誉だぞ。これを頭に入れておいてくれ。相撲道発展のために貢献していただきたい」「叩かれると手を付く、土俵際残らない、それが無気力じゃないか」などと述べた。
翌9月7日の朝刊は、相撲協会が無気力相撲に対し厳しい態度を表明したことについて、「二子山理事長によれば、無気力相撲へのくさびは夏巡業でけいこに取り組む力士の甘さを見てとり、本場所で底の浅い相撲を取るようでは・・・」などと報じている。
なお、(北の湖)前理事長は「故意による無気力相撲」とは、例えば、けがや体調不良の場合、力を抜いた相撲を取ることを意味しており、金銭や星の貸し借りで勝ち負けをやり取りする八百長とは全く違うもので、けがや体調不良があってもそれを理由に力を抜いた相撲を取ることは許されないし、そのようなことがあればあらぬ誤解を招くことになるため、無気力相撲を禁止する規定を設けたと述べる。