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【八百長判決 要旨(2)】“藤田発言”と“板井証言”は「裏付け証拠なし」 (3/3ページ)
講談社らは、武田氏が藤田氏から聞いたと主張し、武田氏はこれに沿う供述をするが、武田氏の供述は客観的な裏付けを全く欠いており、採用できないし、他に摘示事実の重要部分が真実であると認めるに足りる証拠は何ら存在しない。
講談社らは、故意による無気力相撲懲罰規定が存在すること、そのほか提出された多数の雑誌、新聞記事、板井証言などにより、その重要部分が真実であることが証明されると主張する。
まず、故意による無気力相撲懲罰規定に関して検討する。
相撲協会は昭和46年12月4日、寄付行為施行細則において、いわゆる故意による無気力相撲懲罰規定を置き、翌昭和47年1月の初場所から施行した。
平成元年9月5日、相撲協会の二子山理事長(元横綱の初代若乃花、花田勝治氏)や事務長らは、力士などを集めて、無気力相撲について同年7月の名古屋揚所の理事会で承認された事項について伝えた。すなわち事務長は、名古屋場所において、一部の無気力と思われる相撲が依然として行われているのは遺憾なことであり、昭和46年12月4日に故意による無気力相撲懲罰規定を設けて、厳しく取り締まることにした。
しかし、適用にあたっては、懲罰を与えることを差し控えてきたけれども、今やそれも限界に達した感があり、無気力相撲を抑制防止する対策を立てることが急務になった旨を述べた。事務長は無気力というのは「一般的には、いわゆる八百長といわれているが、地位の確保のために深く考えないで、安易な気持ちでその場しのぎで無気力相撲をやることになると、相撲としての本質を失う」などと話した。
また、「あの人に世話になったからとかいうふうな私情をくっつければ、勝負ではなくなってしまう」などと述べた。二子山元理事長は、集まった者たちが立派な相撲を取ることを求めた。