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【八百長判決 要旨(1)】「記事は社会的評価を著しく低下させるもの」 (1/2ページ)
【主文の要旨】
講談社らは、(北の湖)前理事長に対し、770万円および、これに対する平成19年2月27日から支払い済みまで年5分の割合による金を支払うこと。また日本相撲協会に対し、770万円および、これに対する平成19年2月27日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払うこと。講談社らは、前理事長らに対し、本判決確定の日から4週間以内に、講談社が発行する週刊現代に、取り消し広告を1回載せること。
【事案の概要】
本件は、前理事長らが、講談社などに対し、週刊現代に掲載された記事で名誉を棄損されたと主張。損害賠償と、民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払いと、謝罪広告の掲載を求めた訴訟である。
【判決要旨】
●名誉棄損性の有無
本件記事は、一般の読者の普通の読み方を基準として検討すると、以下の事実を摘示しているものと認められる。
前理事長が横綱だった昭和50年3月23日の大相撲春場所千秋楽で、貴ノ花と数百万円の支払いを受けるのと引換えに、結びの一番では前理事長が勝つが、優勝決定戦では貴ノ花に勝ちを譲るという八百長相撲を行ったこと。この八百長を主導したのは貴ノ花の兄の花田勝治氏であったこと。八百長の実際の交渉には、前理事長と貴ノ花両者の付け人が当たり、優勝の祝勝会の直後に八百長の精算金が用意されたこと。
このように前理事長が現役時代に八百長を行っていたことから、前理事長が理事長を務める日本相撲協会は、力士に甘くみられ、力士に対して指導力を発揮できないでいること。
日本相撲協会の理事長であった花田勝治氏が、平成4年初場所で、おいの貴花田が初優勝して同人に賜杯を手渡すことができるようにし、自らが理事長を引退するに当たり花道を飾るべく、貴花田の師匠の藤島親方(元貴ノ花)に対し、初場所千秋楽の一番について、貴花田の対戦相手の三杉里から勝ち星を買うよう命じたこと。そこで、藤島親方は別の親方に八百長の仲介を依頼し、300万円で八百長の話がまとまったこと。
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