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地球シミュレータの「一社談合」

2008-05-14 / IT
もうやめるはずだった地球シミュレータの「次世代機」が、なぜか約190億円で開発されることになった。これを一般競争入札で「落札」したのはNECだが、応札したのはNEC一社だけだった。1150億円ものプロジェクトを随意契約で3社に共同発注した京速計算機と同様、スーパーコンピュータがITゼネコンの食い物にされているのだ。

このような談合によって、ITゼネコンは目先の利益を得るかもしれないが、もはや考古学的な技術になったベクトルプロセッサに大量の開発要員・リソースを投入することによって「ガラパゴス化」がますます進み、日本のコンピュータ業界は世界から決定的に取り残されるだろう。グーグルもMSもIBMも、cloud computingに最大の資源を投入しているというのに・・・

おまけに、気候変動のシミュレーションという目的も疑問だ。伊藤・渡辺氏の批判しているように、地球シミュレータのやったシミュレーションが「最初に結論ありき」の非科学的なものだったとすれば、いくらハードウェアの性能を上げても、手の込んだデマゴギーを繰り返す結果にしかならないだろう。
コメント ( 27 ) | Trackback ( 2 )
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コメント
 
 
 
ITシステムはサービスに向かう (宮川)
2008-05-14 14:08:19
リソースの使い方が間違ってる。まさにおっしゃる通りです。
まぁ、今からNECがクラウドに舵を切ったところで遅すぎですけどね。個別の人は優秀でクラウドの価値にも当然気づいてるんですけどねぇ。もったいないなぁ。
 
 
 
官僚の発想が古い (就職氷河期っ子)
2008-05-14 15:26:00
官僚の発想は土木建築と同じ利権構造をITにしただけだと思います。
国民が箱物を嫌がるので、見えにくいゼネコン先を探した結果IT業界になったのでしょう。
真面目に商売しているこちらとしてはいい迷惑です。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2008-05-14 16:43:06
…なんだか
戦術の転換期に、せっせと戦艦大和を建造していた
旧日本海軍の姿とダブりますね。
将来的に
損にはならなくとも、損逸利益が大きかったと見積も
られた場合には、評価は"敗戦"ということですね。
 
 
 
Cloud Computingの方が、ITゼネコンの食い物になるのでは (佐藤)
2008-05-14 19:37:58
池田先生、お久しぶりです。佐藤です。SMILのときなどはお世話になりました。

計算科学(Computational Science)ではなく、計算機科学(Computer Science)の研究している立場からいうと、やはりCloud Computingの方が気になります。

ただ、Cloud Computingの方がITゼネコンの食い物になる可能性は高いように思います。

ご存知のように政府の大型情報システムは、ピーク時とそれ以外の性能要求差が大きいものも多いですし、そのピーク時の性能要求に応じてシステムを設計・構築しています。国税庁や年金システムの詳細は知りませんが、ピーク時とそれ以外の計算量の差は大きいはずで、普段は非常に無駄の多いシステムのように想像します。

一方、Cloud Computingインフラは、Cloud Computingはインフラ供給者は巨大な計算・ストレージリソースをもっているので、必要なときに必要なリソースを提供する方式なので、ピーク時とそれ以外の性能要求に差が大きい処理を実現するのに向いています。

そうなると政府が大型情報システム(ピーク性能にあわせた無駄の多いシステム)を構築するよりは、(民間)Cloud Computingインフラを使ってくれた方がお得でしょう。

ただ、そうなるとITゼネコンの皆様は仕事を奪われることになるので、個人情報や安全保障などを口実に、官営Cloud Computingインフラが必要と言い出して、今度はその官営Cloud ComputingインフラがITゼネコンの食い物になりそうです。

追伸：
計算科学(Computational Science)と計算機科学(Computer Science)はまったく違う分野でして、前者は経済性よりも性能が重視、後者は経済性が重視。実際、研究者もほとんど重なっていません。
 
 
 
国民のベクトルは、クラウド系のサービス (Sott)
2008-05-15 11:49:40
地球シミュレータ、何故か少し前からテレビCMでも見かけるようになりました。

素人が外野席から思うのは、少し前なら注目が集まったスパコンのFLOPSですがベクトル競争もかつてのDRAM大容量化一辺倒のように思えてしまいます。
今はクラウド系のサービスでないとほとんど訴求力ないと思います。判断基準を備えた、研究、開発者は満たされないでしょうね。
 
 
 
スパコン・イナゴ (池田信夫)
2008-05-15 12:07:48
予想どおり「ベクトルはSX系しかないのだから、NECでリプレースするのは当たり前だ」といった類のイナゴ的コメントがたくさん来たけど、こういう連中は「一般競争入札」とは何か、勉強してみろ。特定のベンダーに圧倒的な条件で入札をやるのは違法なんだよ。1社しか応札できないような「偽装入札」は、やり直すべきだ。

それ以前に「使命が終わってESを廃棄する」はずだったから京速が起案されたのに、死んだはずのゾンビがまた化粧直しして出てくるというのは、どういうわけかね。「道路」では金がとりにくくなったから、「科学技術」という名目でハコモノを作っているだけだろう。それをこんなふうに「素人は口を出すな」といって既得権を擁護する連中がいるから、税金の無駄づかいが止まらないのだ。
 
 
 
慣れた技術に拘るのはわかりますが・・・ (佐藤)
2008-05-15 23:33:57
一般論ですが、情報系の研究者や技術者は、新しい物好きのようにみえますが、いったん特定の技術に慣れるとそれを使い続けたがる傾向があります。その技術を取り上げようとすると、いろいろ理屈をつけて抵抗します。いい例かはわかりませんが、いまだにテキストはviやemacsでしか書かないという技術者や研究者をお見受けします。こうした方に最新のワープロを使わせようとすると、ワープロの欠点をいろいろ論って抵抗されます。もちろんエディターぐらいはカワイイものなのですが。

今回の地球シミュレータの更新問題はメーカーもメーカーですが、スパコンを使う側の都合にも事情があるように思います。ベクトル演算系のコンピュータやそのプログラミングに慣れているので、それをそのまま使い続けたいのでしょう。

ただ、日本の場合、ベクター型マシンに拘る方が多いのは、国民性もあると思いますが、それに加えて人材の流動性が小さいという問題が根本にあるように思います。米国であれば研究所のスパコンが、ある日突然、スカラー型マシンにかわっても、ベクター型マシンをつかっている別の研究所や会社にうつればいい。でも日本の場合は人材の流動性が低いので、ベクター型マシンがスカラー型マシンに置き換わったら、仕事が奪われることになります。このためベクター型マシンを否定されるということは、その否定が道理にあっていてもいなくても、彼らの存在を否定することになりますので、その抵抗は大きくなります。また、スカラー型マシンを導入してもスカラー型マシンに手慣れた人材が揃えられるとは限らない。

その意味では、年金などの政府系の何世代も前のような大型計算機を使うために、システム費用がかかってしまうのも問題の本質は同じではないでしょうか。古いシステムであればあるほど、その古いシステムに最適化された人材は行き場がありません。逆に最新システムをいれても、それを扱える人材を確保できるとは限りません。
 
 
 
ITと雇用 (池田信夫)
2008-05-15 23:58:11
佐藤さんのコメントは深刻な問題で、楠君も似たような指摘をしています：

http://d.hatena.ne.jp/mkusunok/20080510/sic

私は、今度の三菱UFJのシステム統合の失敗なども、SI業者が「人材派遣業」になっていて、しかもシステム担当者が銀行の「本流」じゃないことに原因があるのではないかと想像しています。

要するに、正社員を過保護にした結果、企業がコアになる技術者を雇用しないで派遣でまかなうため、技術も蓄積されないし、コテコテにカスタマイズした不合理な仕様を直すこともできない。その結果、『日本経済グローバル』本でも指摘しているように、カスタムソフトの比重が異常に高い。

これは来週のASCII.jpのネタにしようと思うので、くわしい事情を（メールでもいいから）教えてください。
 
 
 
ITと雇用 (スポンタ中村)
2008-05-16 08:52:34
結局のところ、松下翁のつくった終身雇用制が35歳以上の再就職マーケットを根絶やしにし、企業別労働組合が職能のモジュール化を妨げている。
そのようにして、35歳以上の再雇用マーケットがないために、40歳以上の労働者の再雇用先は警備員・タクシーンの運転手などに限られる。結果、会社員は組織の奴隷とならざるを得ず、腐敗、天下りを生む。ことはIT業界だけではないのですよね。
 
 
 
ほんとに必要なのか (池田信夫)
2008-05-16 11:01:14
能澤徹氏も、CNETで「ES後継機」に疑問を呈しています：

http://japan.cnet.com/blog/petaflops/2008/05/15/entry_27001505/

＜要するに一般競争入札の形はとっているが、実質は「出来レース」といわれてもやむを得ないようなもの＞

＜地球シミュレータ後継機が2009年6月にTop10にランクインする事はほとんど絶望的で、Top20でさえ難しいように思える＞

＜地球シミュレータ後継機は国策から外れ、もう世界の桧舞台に上がる事の無い機械であろう。大局的には、海外からの視線に対して元国策スパコンとの連続性を保ちながら、静かにフェーズアウトしてゆく事が妥当と思える＞
 
 
 
ITと雇用 (tonchan)
2008-05-16 12:06:42
　私はもと企業側のＩＴ部門に所属してプロジェクトマネージャとして社内システムを開発してました。その限られた経験から少しコメントしてさせていただきます。

�ゝ賤茲離轡好謄爐�ら脱出できないという問題についてです。最大の問題は、社内のＩＴ技術者の評価基準が減点法になっている場合が多いからです。減点法の評価に対しては、システム開発を企画する場合に新たな方式を導入するリスクを取ることは困難になります。その結果、ＩＴイノベーションには追随できず旧来のシステムを使い続けることになるわけです。
　まして現在のシステム開発を行った方が上司にいる場合には、そのシステムを廃止するというお伺いを立てること自体が企業内での将来をあきらめるということにもなりかねないのです。
　これが終身雇用制のひとつの弊害かもしれません。

�▲轡好謄爐粒�発仕様が決まるのが遅く、時期に合わせて仕様を決めていると社内の評判が下がっていくことがあるのです。これは社内で事前ネゴを繰り返してコンセンサスを取ることが重要と考えている企業で起こっていることです。

��ＩＴの開発と同じ骨組を持つ建設業では、大工は大工、電気工事は電気工事で現場監督、設計士とは別の存在です。つまりそれぞれのプロフェッショナルの道を進んでいくわけです。
　一方、ＩＴ技術者は、プログラマ、ＳＥ、プロジェクトマネージャのようなキャリアパスが有ることになっています。この結果、プロジェクトマネージャが理解しているＩＴ知識の基盤は旧来の技術となってしまうのです。企業内のプロジェクトマネージャはＩＴイノベーションに対応するより、他部門との調整に対応する方が重要になります。また調整能力を評価される場合が多いので、ますます実際の開発では自分の知っている範囲のシステムにこだわる傾向が高いと思います。

　以上、私の感じている矛盾をコメントさせていただきました。もちろん、単なる私見ですので絶対に正しいわけではありませんが、何かの参考になればと思い投稿いたしました。

このブログの記事はいつも楽しみにしております。今後ともにお体に気を付けて頑張ってください。

　
 
 
 
随意から随一へ (セカンド・オピニオン)
2008-05-16 13:13:32
この度は国民の皆様のご批判を踏まえ、
契約方式を変更しました。
これはどのＳＩ様にも実質的に違いはなく、
取り立てて批判される筋合いのものではないと
固く信じております。

今後ともご教示ご鞭撻の程よろしくお願いします。
正直言って命名でかなり救われております。
 
 
 
Unknown (宮川)
2008-05-18 21:36:59
三菱UFJの統合「失敗」についての池田先生の推測には賛成しませんが、tonchan様の「減点法」のお話には賛成します。大手SIなんて、リスクをとって新方式でシステムを構築しても、成功して当然、失敗したら「何調子に乗ってんだ馬鹿」ですよ。

これじゃイノベーションは生まれない。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2008-05-18 23:32:47
一般競争入札の形を採っていてもその要求用件の構成で出来レースにしてしまうのは、ごく普通にやられていることのようです。購入仕様書の要求要件の数値がメーカーのカタログスペックと完全に一致していても全く見咎められませんし、それに加えて購入予定メーカーの独自機能を必須として要求することで、他メーカーは一切手出しできなくなります。別にこれが必ずしも悪とは限らず、納期に時間がかかる装置の導入で、少しでも早く納入させるのに予めメーカーとやりとりして、承認が出る前からメーカーの営業リスクとして準備させたりできます。
 
 
 
コメント (かえる)
2008-05-19 12:55:58
コメントさせていただきます。

> 慣れた技術に拘るのはわかりますが・・・ (佐藤)
> 2008-05-15 23:33:57
> 一般論ですが、情報系の研究者や技術者は、新しい物好きのようにみえますが、いったん特定の技術に慣れるとそれを使い続けたがる傾向があります。その技術を取り上げようとすると、いろいろ理屈をつけて抵抗します。

それはかなりの程度真実だと思います。
ただし、ベクター型と並列機(クラスター型、クラウド型)には
問題分野への向き不向きがあるので、それを良く知る専門家が抵抗するのは当然かと思います。

> いい例かはわかりませんが、いまだにテキストはviやemacsでしか書かないという技術者や研究者をお見受けします。こうした方に最新のワープロを使わせようとすると、ワープロの欠点をいろいろ論って抵抗されます。もちろんエディターぐらいはカワイイものなのですが。

この例も同様です。
現在主流のワープロは、DTP文化 (その源流はXerox Altoワークステーション)の影響を色濃く受けた
印刷物作成ソフトであって、
vi や emacs とは丸きり目的が違います。

vi は私も好きではありませんが、
世界中のサーバ･ルームでサーバ導入/管理作業で愛用され続けています。
viの主目的は、LinuxサーバやUnixサーバ上の作業を素早く行うことにあり、
ワープロのような印刷機能や余分な飾りは一切不要なのです。

またemacsは、膨大な分量のマクロ･ライブラリ(elisp)を使って
各種アプリケーションを動かすプラットフォームです。
最近はWebブラウザやJavaにその地位を譲った感もありますが、
とにかく「ワープロ」とは丸きり別物です。

サーバ設定変更やマクロ実行を必要とする仕事で
「viやemacsの代わりにワープロを使え」と主張する方が居たら、
経営者に相談して業務上の支障として排除させていただく事になると思います。
 
 
 
既得権イナゴ (池田信夫)
2008-05-19 14:09:17
ベクトル型のコストがスカラー型の何百倍だろうと、自分の金なら好きに使えばいい。これは税金を1000億円以上も投入するプロジェクトなんですよ。しかもESは「次世代機」が決まったから、京速は流体の計算もやらない。遺伝子の解析とやらに、ベクトルが不可欠なんですかね。

そして二言目には「素人は口を出すな」。道路工学を知らなくても北海道の原野に高速道路をつくるのがナンセンスだということはだれにでもわかるように、コンピュータを知らなくても、世界最高速機の100倍の税金を目的もわからないマシンに使うのが無駄だということは、だれでもわかる。こっちは税金を払ってるんだから、説明責任は行政の側にあるのです。
 
 
 
実は日常茶飯事 (就職氷河期っ子)
2008-05-19 14:38:51
こういった行為は実のところ日住茶飯事なんですよね。
入札率を調べたら一目瞭然、IT＝土建と考えてもらってもいいぐらいの談合率です。
今から思えば、土建の次候補にITが選ばれた時点で、日本のIT業界に未来が無い事が決まっていたのかもしれません。
 
 
 
少し残念 (KT)
2008-05-19 21:20:22
日本のスパコンベンダーが、ITゼネンコンによる税金の無駄遣いであることは間違いなく、的確なご指摘だと思います。しかし、

>しかもESは「次世代機」が決まったから、京速は流体の計算もやらない。

は明らかな誤りではないでしょうか？
http://www.nsc.riken.jp/target-application/target-application.html
で示されているターゲットアプリには「流体の計算」に相当するものがあります。

指摘が的確なだけに、上記のような誤りがあるのは少し残念な気がします。
 
 
 
IT業界の未来？ (Tom)
2008-05-19 23:19:05
IT業界に長年属している立場からすれば、池田先生のご指摘されている京速計算機、次世代地球シミュレータの話は非常に的を射ていて同意できる部分が多数あるのですが、
就職氷河期っ子さんがご指摘されている「日本のIT業界に未来が無い事が決まっていたのかもしれません。」のコメントには賛同できません。
IT業界から見れば、高々1000億、200億程度のプロジェクトです。
大手のSIerであれば、この程度のプロジェクトは年に2,3本はこなすくらいの規模ですよ？
これだけをもって、未来が無いといいきれる根拠が是非知りたいです。
金融機関のIT投資費、各種メーカ、流通産業のIT投資のコストはご存知ですか？
IT業界全体から見れば高が知れている金額です。(税金として無駄なものに投資しているのではないかという点とは別議論で)

IT業界の展望については、公共システムだけの問題ではなく、ゼネコン構造(これもゼネコンとはちょっと構造が違うのですが)、国際化の問題等別の確度から問題を検討しなければならないと思います。
ちょっとトピックスとは外れますので、詳細は省きますが、すくなくともこの問題だけでIT業界の未来を語るのは無意味です。
 
 
 
ＮＹＴの記事です (Unknown)
2008-05-20 19:32:26
High-Tech Japanese, Running Out of Engineers

はてなでこの記事をネタに書いてあるエントリーがありましたので。

古い技術者が転職できる訳でもないので古い世代＝既得権者となり古いもので誤魔化す。上の方（佐藤氏）の言っていることと同じようですね。

角川の社長が今ある技術は明日を保証しないと言っているくらい未来は不確定です。そういった意味で既得権であるテレビ局は沈みかかっているが動けない。確立した技術であるが故に。ゼネコンもテレビもＩＴも合理的に行動している。産業突然死という大前氏の連載タイトルは面白いです。どの分野に突然死が来るかはわかりませんが技術には必ず来ます。だから延命治療代として税金を払わされるのもなんだかなあと。寿命より技術が短い時代はきついですね。
 
 
 
Unknown (並列機技術者)
2008-05-20 20:27:43
つか、一般人の理解する「古い技術者」の分類基準がよくわからない。
並列機で経験持ってても、今すぐ生かせる現場なんて限られてるよ。

金融系で EJBやるとか、OracleやWebサーバの並列処理、
あとはマルチコア絡みのパッケージ/ライブラリ開発か
Cell絡みの開発か。

机上の議論で済ます人ばかりで、実体験少ないでしょ、きみたち
 
 
 
池田教授の法則 (就職氷河期っ子)
2008-05-21 02:22:47
＞就職氷河期っ子さんがご指摘されている「日本のIT業界に未来が無い事が決まっていたのかもしれません。」のコメントには賛同できません。

池田教授は官が関わった産業は成功しないという名言を言いました。これを正しいと私は言っているのです。

＞IT業界から見れば、高々1000億、200億程度のプロジェクトです。
一つだけ見たらね。全国津々浦々どれだけの無駄がある事やら・・・
その無駄を守るために官が不正をばら撒くのが問題であって一つが全てを決めるわけはありません。

＞大手のSIerであれば、この程度のプロジェクトは年に2,3本はこなすくらいの規模ですよ？
日本企業のIT投資率は以前低いものです。
その裏にはITゼネコンによる開発効率の悪さなどが見え隠れしております。そしてこの開発効率の悪さをうんでいるのが官業談合状態です。
下請けへ丸投げする状態で開発効率が良くなるはずが在りません。
官僚の天下り先企業が、開発効率を悪くして、品質も悪くして、高く売っているのが真実です。
開発スピードを遅くし、品質を悪化させ、価格を１桁以上増やしているのが事実です。
こんな状態で誰がIT業界を信じるのでしょうか？だから投資率も下がるのです。
 
 
 
あまりにもくだらないので (Tom)
2008-05-21 16:00:48
コメントしようかどうしようか悩んだのですが、若い(？)就職氷河期っ子さんをもうちょっとしてみようと思うので、コメントします。
(できるかどうかはおいておいて)

＞池田教授は官が関わった産業は成功しないという名言を言いました。これを正しいと私は言っているのです。
では、証明してください。
世の中の全ての産業は何らかの法規制(=官が絡む)の下で仕事を行っています。それであれば日本の産業は全て失敗してしまうということになりますよね。池田先生が、本当に上記のコメントをされたかどうかについては、真偽はわかりませんが、あなた自身が曲解している可能性が高いです。是非あなた自身の言葉で証明をしてください。

＞一つだけ見たらね。全国津々浦々どれだけの無駄がある事やら・・・
どれだけ無駄があるのですか？それがどれだけこの業界に悪影響を及ぼしているのですか？
＞その無駄を守るために官が不正をばら撒くのが問題
どのような不正がどれだけばら撒かれいてるのですか？
抽象的な言葉でなく、具体的な数字を出してください。

＞日本企業のIT投資率は以前低いものです。
その裏にはITゼネコンによる開発効率の悪さなどが見え隠れしております。そしてこの開発効率の悪さをうんでいるのが官業談合状態です。

文章が全く意味不明です。
ちょっと整理すると
(あなたの主張1)日本企業のIT投資率は低い
(あなたの主張2)原因はITゼネコンによる開発効率が悪いから
(あなたの主張3)開発効率が悪いのは官製談合だ
(あなたの主張4)また、開発効率が悪いのは下請けへ丸投げするからだ

・主張1に関する反論
IT投資率はアメリカに比べると低いが、欧米諸国並み(かやや下)の投資率(対GDP比)です
・主張2に関する反論
IT投資率が低いのは、ITに対する理解が経営層に無いからである。
(1,2の反論についてはJEITAの統計資料ならびに池田先生の主張を参考にしています)
・主張3に関しての反論
ここが全く意味不明です。開発効率が悪いのは何故官製談合が原因なのでしょうか？企業のIT投資費用まで官が管理していると考えているのでしょうか？どのような分析でこのような判断をしたのかを教えてください。
・主張4に関しての反論
多分、あなたは下請け企業の社員か何かなのでしょうか？
実際の元受企業がどのような業務を行っているのか理解されていますか？
私自身は元受SIerに在籍しておりますが、私が絡んだ数百のプロジェクト(大は数千億、小は数千万円規模)では、下請け企業を多数使いましたが、丸投げは一切行っておりません。
特に要件定義や方式設計のプロセスに関してはほぼ100%自社社員(またはそれに相当する人)で行っております。基本設計やプログラミング工程に関しては、協力会社さん中心にやっていただくことが多いですが、丸投げはやらないですね。
実際にどの企業が元受かは知りませんが、退却の重要な部分については、通常は元受け企業が責任を持って実行することが多いです。
工程を切って、他社に依頼するのは開発効率が良いからです。プログラミング工程なんかは中国やインドの専門会社に依頼することが増えてきましたね。これはコスト効果を狙ってのシフトです。(良い悪いは置いておいて・・・)

色々な知識があるのはわかりますが、ご自身が勤められている業界の本質をよく理解した上で問題点の提起をすべきでは無いでしょうか？
＞就職氷河期っ子さん
 
 
 
Unknown (Unknown)
2008-05-23 18:07:48
別の記事（ascii.jp）で触れられている「偽装入札」がもし真実だとしたら、商慣習や行政判断で片付けられるような問題ではなく、独占禁止法違反など法的な問題となると思われるのですが、どうなのでしょうか。こういった事案（独立行政法人の予算執行の適切性）を検証する（法的な問題があれば取り締まる、予算執行を差し止める）仕組みはないのでしょうか。もし情報をお持ちでしたらご教示いただければ幸いです。
 
 
 
違法性 (池田信夫)
2008-05-23 21:14:47
「偽装入札」や「1円入札」は違法の疑いが強いが、公取委はこれまで摘発していません。それをやると、日本の公共調達のほとんどが違法になってしまうからです。諸外国では、応札者が1社しかない場合には、入札条件を変えてやり直すのが普通ですが、そういうルールもない。

「消費者行政」というなら、苦情窓口よりも公取委を今の10倍以上に強化して、委員長には閣僚以上の力をもたせるべきです。私は、日本には公取委以外の官庁は必要ないと思っています。
 
 
 
違法性 (Unknown)
2008-05-24 11:16:38
　情報ご教示ありがとうございます。

　業界の慣習とされていた違法行為が摘発される事例が徐々に増えていますが、違法性の疑いがある多くの事案を一斉に摘発することは確かに現実的に難しいのでしょう。しかし緑資源機構の事案のような違法性が明白なケースからひとつずつ処理することで、違法な商習慣をあらためて行く方向へ誘導できると思われます。

　「偽装入札」は（事実認定には調査を要しますが、事実とすれば）
独占禁止法の
　　　他の事業者の事業活動を排除し、又は支配することにより、
　　　公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に
　　　制限すること
に該当する違法行為（犯則調査対象）であることは明白と思われます。

　独立行政法人では随意契約の問題に目が行きがちですが、一般競争入札の形を借りた違法行為も（事実とすれば）同等以上に悪質で、これを排除できないのでは独占禁止法の存在意義が問われるでしょう。この事案は金額も大きいだけに世論喚起も含め、事実検証とともに、同様事案での違法行為排除が進むことを期待したいです。
 
 
 
エコノミストなら (Unknown)
2008-07-29 23:04:01
ハードウェアがどうの、コンピューティングがどうのというのは、あまり関係ないかと思います。
N社の純粋な商行為、問題を起こしたコウノトリの次の行き場探しという観点から調査すれば簡単に色々な事実が出てくるかと。。。

シミュレータを売った事で、次の販売の機会を発掘するため、N社および関連の人員を大量にこのセンターへ送り込みますよねSEや経営陣として。ここまでは、F社もI社もH社もやっている事ですね。

また、文科省の資料を見れば分かりますが、このセンターは京速にもチャレンジしています。しかし理研が主導になった時点で、何故かハードの運用から手を引いています。
時を同じくして、似たようなハードだけの部署が、このセンターの親法人に出来上がっています。

この部署がN社の事実上の営業所であれば、一社談合では無く、原価償却後のリプレース程度の考えでは?また、利害が一致すればメーカーの人間で無くてもそれを享受するかと。数百億の商売ですよ。多少強引な事もやるでしょう。

ちょっと調べれば、これらに関わっている人々がどのように絡んでいるかは直ぐに分かると思います。
そして、それが大企業の商売ではないのでしょうか?

憶測ではなくちゃんと調べてから記事にしてください。一般の私でも簡単に調べられるのですから。
 
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