東京外為市場・正午=ドル98円半ば、対ユーロで3カ月半ぶり高値

2009年 03月 4日 12:43 JST
 
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       ドル/円   ユーロ/ドル  ユーロ/円

正午現在   98.44/49  1.2499/04  123.04/14

午前9時現在 98.47/52  1.2526/31  123.39/47

前日NY17時 98.13/17  1.2556/58  123.25/35

 [東京 4日 ロイター] 正午現在のドル/円は、前日ニューヨーク市場の午後5時時点から上昇し98円半ばで取引されている。午前の取引では、予想を下回る豪国内総生産(GDP)を受けて豪ドルが下落。対豪ドルでの円買いやドル買いが他通貨に波及し、ユーロ/ドルが3カ月半ぶり安値を更新した。

 午前の値動きのきっかけとなったのは豪ドル。オーストラリア統計局が発表した第4・四半期実質GDP伸び率が、季節調整済みで前期比マイナス0.5%と市場予想の同プラス0.2%を下回ったことを受けて、発表直後から豪ドルが急落。豪ドル/米ドル4>は発表直前の0.63ドル後半から0.62ドル後半まで100ポイント超、豪ドル/円も62円後半から61円後半へ1円超下落した。

 対豪ドルで強まったドル買いや円買いは他通貨にも大きく波及。特に、オプションに絡むポイントで心理的な節目でもあった1.2500ドルに接近していたユーロ/ドルの売り仕掛けが活発化した。ユーロは一時1.2457ドルまで、ユーロ/円は122.40円まで下落した。

 前日海外市場でユーロが売られた一因として、欧州クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場でスプレッドが急拡大したことを指摘する声が出ている。投資適格級の欧州企業125社のCDSで構成するiTraxx欧州指数が昨年11月以来の水準を更新したほか、ジャンク級中心に50社で構成するiTraxxクロスオーバー指数は昨年12月の水準を上回って過去最高を記録した。「市場の関心が再びリスク動向に集まりつつあることが、結果としてドルへの資金還流につながっている」

(都銀)という。

 景気減速や株安への懸念が世界的に広がってきたことで、為替市場では新興国を中心とする通貨の下げとドルの「結果的な」(別の都銀)上昇が目立っている。主要通貨に対するドルの値動きを示すドル指数は午前の取引で一時89.624まで上昇し、06年4月以来3年ぶり高水準を更新した。

 <カナダドルは量的緩和視野で一段安の可能性>

 カナダドルが軟調。米ドル/カナダドルは前日海外でつけた2カ月半ぶり高値の1米ドル=1.2975カナダドルに再び接近、昨年10月から続くレンジ相場の上限となる10月高値の1.3019ドルが視野に入ってきた。昨年10月高値を上抜けると、04年9月以来となる4年半ぶりの高値圏へ一気に躍り出るとあって、ドル買い地合いの根強い市場では、カナダドルが一段安となる可能性が高まってきたとの声が出ている。

 カナダ銀行(中央銀行)は前日、政策金利の翌日物金利を市場予想通り0.5%引き下げて過去最低水準の0.5%にするとともに、声明で「必要になった場合、クレジットや量的緩和を通じた追加の金融刺激措置を検討している」ことを明らかにした。市場では、低金利政策の長期化と量的緩和の導入見通しでカナダドルは軟調展開が続きやすいとする声が出ている。カナダ中銀によると、追加措置の枠組みに関する概要の発表は4月23日に予定されている金融政策報告以降となる見通し。

 <新興国通貨売り/ドル買いの流れ鮮明に>

 新興国通貨では、南アフリカランドの下落が目立ってきた。前日海外市場の取引で、米ドル/南アランドは10ランド半ばに上昇して1月の高値を更新。昨年10月から続くレンジ相場の上限となる11月高値の10ランド後半に接近してきた。世界的な株安でリスク回避の動きが活発化するとともに、為替市場では欧州やアジアなどの新興国通貨売りが勢いづいており、南米通貨にもその波が波及している。新興国・高金利通貨の代表格とも言える南アランドの下落は、市場でも新興国通貨売りの象徴として話題となっている。「リスクから逃げようと新興国を売っても、その半面で買える通貨がドルぐらいしか見当たらない」(先出の都銀)ことが、ドルの押し上げにつながっているという。

 (ロイター日本語ニュース 基太村真司記者)

 
 

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