【モスクワ=古川英治】中央アジアの産油国カザフスタンの中央銀行は4日、通貨テンゲの事実上の切り下げを発表した。中銀は市場介入により対ドル相場を1ドル=120テンゲ前後に維持してきたが、今後は同150テンゲ前後で相場を支えるとしている。発表を受け、4日の相場は前日の1ドル=122.32テンゲから同143.98テンゲに急落した。
カザフは中央銀行がテンゲ相場の許容変動幅を設定して管理する通貨制度を導入している。海外からの資金調達に依存してきたカザフは原油価格の急落も響き、テンゲ売り圧力にさらされている。経常赤字が拡大する中で、一段の通貨切り下げを迫られるとの見方も多い。