大阪府門真市立第三中学校の昨春卒業式での国歌斉唱集団不起立問題で、斉唱時に着席し文書訓告処分を受けた50代の男性教諭が今年2月、市民団体の集会で講演し、「今後も不起立を貫く」「これから処分があると思うが頑張っていく」などと訴えていたことが5日、関係者の話で分かった。
市教育委員会は、この教諭らの卒業式での着席行為を「学習指導要領に基づいて斉唱を指導すべき立場の者として不適切」と判断、不起立問題では府内で初めて処分している。
教諭が講演したのは、処分の約3週間前の2月1日に、同府守口市で開かれた国旗国歌強制反対集会。
関係者によると、「不起立報告」と題した講演の中で教諭は、「君が代強制の先には、国のために命を投げ出す子供を育てるという目的がある」「『日本人は他の民族より優秀』と教え込むことにつながる」といった内容の持論を述べ、「君が代反対にこだわるのは、こういう教育をしたくないから」と説明した。
今回の不起立問題をめぐる市教委や府教委の事情聴取についても批判し、「ずっと卒業式では不起立をしてきた。今後も貫こうと思う」と宣言したという。
昨年3月13日の卒業式では、この教諭のほかに男女7人の教諭と、男子生徒1人を除く卒業生159人が国歌斉唱時に着席。市教委は7人に対しては口頭厳重注意処分、管理責任を問い校長に文書訓告処分を言い渡している。
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