読売新聞 |
小沢一郎・民主党代表の資金管理団体「陸山会」を巡る政治資金規正法違反事件で、小沢代表側が1990年代中盤、準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)との間で、毎年2500万円前後の献金を受ける約束をしていたことが、西松建設関係者などの話で分かった。
同社は献金の際、OBを代表とした政治団体を使うほか、同社の下請け企業を迂回(うかい)して献金する手法を取ることにし、二つのルートの献金の合計額が、年平均2500万円程度になるように調整していた。西松側から小沢代表側への献金総額は約3億円に上ることも判明。東京地検特捜部も解明を進めている。
西松建設関係者などによると、小沢代表側との間で、年2500万円の献金をすることを取り決めたのは95年頃。当初は西松建設や子会社「松栄不動産」名義の献金もあったが、次第に、〈1〉ダミーの政治団体「新政治問題研究会」(95年設立)と「未来産業研究会」(98年設立)を使った献金〈2〉西松建設から下請け受注している建設会社を通じた献金−−の二つのルートが中心になっていった。2003年以降は、この2ルートに集約されたという。
西松建設は03年以降、2500万円のうち1500万円程度を、ダミーの二つの政治団体から、陸山会と、小沢代表が代表を務める「民主党岩手県第4区総支部」、小沢代表が最高顧問を務める「民主党岩手県総支部連合会」に分散して献金。
残りの1000万円前後については、主に同支部に、同社の下請け企業が献金をする形を取った。これらの下請け企業は、東北の建設会社などが中心で、多いときで20社前後あり、1社50万円程度の献金をしていた。
ダミーの政治団体には、西松社員が払い込んだ会費を賞与で補填(ほてん)する形で、同社が資金を拠出。下請けの建設会社にも、西松建設が下請け発注する際、工事代金を水増しして献金分を負担することが多かった。
いずれも、西松建設が提供した資金が、政治団体や下請け企業の名義の献金として、小沢代表側の政治団体の政治資金収支報告書に記載されるという仕組みだった。西松側には同社の名前を表に出さないようにする狙いがあった。
政治資金規正法違反(虚偽記入など)容疑で逮捕された小沢代表の公設第1秘書の大久保隆規容疑者(47)は00年に陸山会の会計責任者になった。その後、03年から西松建設が同社や子会社名義の献金をやめていることから、特捜部は、大久保容疑者が西松建設側と直接やりとりをした上で、西松建設の名前が表に出ないように献金方法を調整した可能性があるとみて調べている。
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