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東京地検、小沢代表の聴取を検討

 準ゼネコン西松建設からの違法献金事件を巡り、東京地検特捜部が、小沢一郎民主党代表(66)から参考人として事情聴取を検討していることが4日、分かった。一方、小沢代表は都内の党本部で会見し「逮捕、強制捜査を受けるいわれはない」と検察との対決姿勢を強烈に示し、代表を辞任しない意向を表明した。政治資金収支報告書では、違法献金が小口化され、目立たない配慮がされていたことも明らかになった。

 特捜部は、小沢氏の公設第1秘書で、資金管理団体「陸山会」の会計責任者大久保隆規容疑者(47)について、西松建設の資金と知りながら、ダミーとされる2つの政治団体の献金であるとして政治資金収支報告書に虚偽の記載をした疑いが強まったとみている。小沢代表側への献金額や献金先は、陸山会側が指定していたことが関係者の話で既に判明。特捜部は、大久保容疑者が違法性を強く認識していたとみており、陸山会代表者の小沢代表にも違法性の認識の有無を確認する必要性が高いと判断。同容疑者の監督状況なども聴く方向とみられる。大久保容疑者は3日に同法違反容疑で逮捕されていた。

 一方、この日、会見した小沢氏は憤然とした顔で、時折、語気を強めながら痛烈に検察批判を繰り返した。通常の小沢氏の会見は約20分だが、異例の約40分を費やす冗舌ぶり。「この種の問題で今まで逮捕、強制捜査というやり方をした例は全くなかった。政治的にも法律的にも不公正な国家権力、検察権力の行使だと思う」「入りも出も公開し適法に処理している。逮捕、強制捜査のいわれはない。国家権力がこの種の問題でこういう形で強制捜査を行うのは民主主義社会ではあり得ない。(西松側への)便宜供与も、もしあれば、甘んじて捜査を受ける」と強気の姿勢を見せた。

 報道陣から「ゼネコンの献金。有権者に自民党と同じような体質との声がある」と言われると、ボルテージが上昇し「自民党と同じ体質という意見は全く心外」ときっぱり。近いうちに嫌疑は晴れると自信も見せ、世間に「おわびする理由は見当たらない。何らやましいことはなく(進退を)どうこうとは考えていない」と続投を表明した。

 党内では今のところ「小沢氏の言い分を信じるしかない」(中堅議員)というスタンスで一致しているが、捜査の進展次第では代表辞任論が再燃することもありえる。秘書が起訴される事態になれば「辞任は避けられない」(幹部)との見方が強い。献金のチェック態勢には「秘書を信頼してやる以外にない」「私が直接、窓口としてやっていたのではない。大久保から政治団体の寄付行為との認識で処理したと聞いた」と責任逃れともとれる発言もあった。今後、嫌疑が晴れると言い切った小沢氏だが、事実上、退路を断った形で発言したこともあり、小沢氏の今後は、すべて捜査の行方が握っている。

 [2009年3月5日8時47分 紙面から]


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