2009年3月5日11時42分
大阪地検特捜部の任意同行に応じ、自宅マンションを出る樋口和人容疑者=5日午前6時59分、大阪市浪速区、川見能人撮影
ヒート社の家宅捜索に入る大阪地検の係官ら=5日午前8時26分、大阪市浪速区、柳谷政人撮影
介護ヘルパーを実際より100人以上多く雇ったように見せかけ、グループ3社で法人税計約6600万円を脱税したとして、大阪地検特捜部は5日、介護事業会社「ヒート」(大阪市浪速区)など3社の実質経営者、樋口和人容疑者(48)=同=ら3人を法人税法違反容疑で逮捕し、大阪国税局と合同で自宅や会社など10カ所を家宅捜索した。
樋口容疑者は訪問介護会社「イヴ」(大阪市西成区)の社長を兼任していた。ほかの2人は、ヒート代表の田中文朗(ふみあき)容疑者(48)=同市東成区▽訪問介護会社「こまがわ介護センター」(同市東住吉区)の元代表で、ヒート経理担当の賀集(かしゅう)友子容疑者(63)=京都府木津川市。3人とも脱税容疑を認めているという。樋口容疑者は「将来に備えて資金を蓄えたかった」と供述し、株の購入などにあてていたと話しているという。
特捜部の調べによると、樋口容疑者らは、退職者や知人の名前を使って介護ヘルパーを100人以上多く雇用したように見せかけて人件費を水増ししたほか、消耗品の購入など架空の経費を計上する手口で、07年までの3年間に3社で約2億3千万円の所得を隠し、脱税した疑いが持たれている。田中容疑者はこのうちヒートによる3千万円の脱税に関与したとされる。
3社は01〜04年に設立され、訪問介護や福祉用具のレンタルなどの介護サービスを提供。従業員は実際に雇用されている介護ヘルパーら計約260人、サービス利用者は大阪市内を中心に計約400人で、07年の売り上げは計約5億1千万円という。