先日、オランダでトルコ航空機が着陸に失敗し大破する悲惨な事故が起きるなど、航空機事故が相次ぎました。鳥が衝突、エンジンにダメージを与える「バードストライク」がたびたび事故原因として浮上しますが、鳥の衝突でエンジン停止に直結するケースは極めてまれで、すぐに鳥衝突説が出てくると、別のミスを隠しているのかと疑いたくもなります。
「奇跡の機長」の手腕で米ハドソン川に不時着したUSエアウェイズ機事故は目撃情報や証拠もありますが、トルコ機のケースは鳥衝突説が出てくるには根拠が薄い気がするのですが…。
整備関係者は「鳥がエンジンに吸い込まれても、高速回転しているファンブレードに細かく引き裂かれ、エンジン内部が大きなダメージを受けることは少ない」と言います。少々、残酷ですが、エンジンメーカーは鶏などを回転中のエンジンに投げ入れて耐久テストをしています。
英ロールス・ロイス社が航空用エンジンの開発に乗り出したのは20世紀初頭。「自動車と違い、エンジンの調子が悪いからといって押して動かしたり止まって点検したりするわけにいかない」と、丈夫さが最優先されたといいます。
とはいえ鳥が大事故につながった例もあり、羽田空港では1日5〜6回見回り、花火などで鳥の群れを追い払います。やはり「君子危うきに近寄らず」でしょうか。(拓)
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