民主王国、悪夢の試練 自民「攻勢へ」 岩手
民主党県連への家宅捜索は、4日の正午近くに始まった。 県連の佐々木順一幹事長は、開会中の県議会のため会派控室にいた。小沢氏の秘書出身の佐々木氏は「県連事務所から『東京地検が来た』と携帯電話に連絡があった。驚いている。県連の何が捜査対象かも分からない」と顔をこわばらせた。 岩手県は衆院1―4区と参院2議席の計6議席のうち、5議席を民主党が握る。唯一自民党に渡している2区も含めて全県制覇を成し遂げ、王国を完成させるというのが、岩手の民主党が描く次期衆院選のシナリオだ。 2区で自民党現職の鈴木俊一氏(55)に挑む民主党新人畑浩治氏(45)の陣営は、今回の事件にショックを隠せない。大久保容疑者が2区を重点的にてこ入れしていたこともあり、陣営関係者は「なぜこの時期に…。今後の影響については、今は分からない。小沢代表の言うことを信じるしかない」と困惑気味だった。 前県連代表でもある達増拓也知事も4日夜、報道陣の前に立ち、「『嫌疑が晴れる』という(小沢氏の)会見はその通りで、得心できた。(衆院選への影響を)意図して捜査が行われたらとんでもないことだ」と小沢代表を擁護した。 一方の自民党県連。千葉伝幹事長は「捜査の進み具合を注視したい」と平静を装うが、次期衆院選で県内の選挙区に出る新人は「秘書が逮捕された国会議員はほとんどが辞職した」と、続投を表明した小沢氏を厳しく批判し、前哨戦での形勢逆転を狙う。 県内の他党幹部は「自民が総選挙で有利になったと言えるほどではない」(小野寺好公明党県本部代表)、「大規模な政界汚職事件になる可能性がある」(菅原則勝共産党県委員長)などと冷静に状況を見詰めるが、民主王国での勢力争いは間違いなく注目度が高まった。
2009年03月05日木曜日
|